悪天候の試合でンダウ・ターラが刻んだJ1デビューという大きな一歩。 貪欲な姿勢がヒーローとなる日につながっていく [J5節 鳥栖戦レビュー]
角田にはセットプレーでの得点というプラスαを求めたい
次第に強くなっていく雨と吹きすさぶ風は、普通にサッカーができる環境ではなかった。どれだけ動いていても選手の体温はなかなか上がらず、そうなれば負傷のリスクも高まってしまう。
後半開始早々にマルコス・ジュニオールが右太もも裏に違和感を訴えて途中交代を余儀なくされた。4試合ぶりの先発復帰で並々ならぬ気合いだっただけ残念無念。おそらくは長期離脱にならないことが不幸中の幸いだ。
それでも試合を終えたケヴィン・マスカット監督の表情は暗かった。
「実際にスタジアムに足を運んでくださったファン・サポーター、そしてテレビの前楽しみにしていた方に申し訳ない気持ちでいっぱい。振り返るような内容の試合ではなかった」
この悪天候とピッチコンディションでマリノスらしさを体現するのは難しかった。パスをつなごうにも水たまりという難敵が行く手を阻み、選手とチームから選択肢を奪っていく。
マリノスに得点の可能性があったとすれば、小池裕太を起点とするセットプレーだ。前半16分、右サイド寄りで獲得したFKは小池裕から角田涼太朗へ。正確で鋭いボールにサガン鳥栖守備陣は反応できなかったが、角田のヘディングシュートは枠の上へ。
小池はその3分後にもFKをアンデルソン・ロペスに合わせており、今後も正確なキックでチャンスを演出してくれるだろう。チームは天野純やティーラトンが抜けたことで左利きのキッカーを探していた。この日のキックを見るかぎり、小池裕がピッチに立っていれば精度の高いボールを期待できそうだ。
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