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渡辺剛のベルギー報告「ベルギーはみんな身体能力で生きている」「コルトレイクの3バックに自分の特長が嵌まった」【独占 Long Interview 前篇】

 

©JEB ENTERTAINMENT

 ベルギージュピラーリーグ、KVコルトレイクに所属する渡辺剛が日本に帰ってきた。2年目の2022-23シーズンを終えての帰国。前シーズンの13位につづき、今シーズンは14位。プレーオフに進出することがなかったため、早めにオフシーズンが訪れた恰好だ。
 しかし収穫がなかったのかと言えば逆。渡辺は全試合フル出場を果たして「ミスター100%」の異名をとるほどの活躍を見せた。先日、自身のSNSから発信したように、守備の4項目でトップの数字を上げ、客観的にもそのパフォーマンスの高さは証明されている。

 コルトレイクでの2年目に何が起こっていたのか。そして大型連休の初戦でアルビレックス新潟に勝利を収めたFC東京の試合に何を感じたのか。気になることのあれこれを、関東某所で“つよぽん”に訊ねたLong Interview。前後篇の2回に分けてお届けする。

◆「ベルギーの応援スタイルはなんでもアリ」

FC東京時代の渡辺剛。

「やー、久しぶりっすねえ」

 東京時代と変わらない快活な声で、渡辺剛に迎えられた。一度取材場所のワーキングスペースを確認したあと、外で落ち合おうとして入れちがいになり、取材をする私、後藤があとから追いつく恰好になった。

「去年(2022年)は帰ってきても『クラブハウスにはあまり行っちゃダメ』とか、そういう感じだったんですが、今年は行ってもよさそうな感じで」

 昨年はまだ、古巣を訊ねるにも遠慮がちに行動しなければいけないような状況だった。そういう意味では、2シーズン目を終え、コロナ禍を脱したいまが、ようやく渡辺が東京をじっくりと味わい、またベルギーについて語るにはふさわしいタイミングだったのかもしれない。

©KV Kortrijk

 まだシーズンが終わったばかり。しばらくは純粋な休暇を過ごし、もう少ししたら身体を動かし始めるという。欧州サッカーは6月で終わり、そこからオフに入る。渡辺にしてみれば、他の欧州組よりも長い休みをうまく使わないといけない。

 この取材の前日である4月29日には、味の素スタジアムへとJ1第10節FC東京vs.アルビレックス新潟を観に行っていた。昔の仲間たちとの再会も嬉しかったが、試合自体もたっぷりと楽しんだ。

「サポーターもいっぱい入っていましたし、サッカーもまた自分がベルギーで観ているものとは全然ちがっていたので、ちがうおもしろさがあったし、雰囲気もよかったし。観ていてすごく楽しかったです」

 本来、我々日本のサッカー好きは、ヨーロッパや南米に憧れるもの。けれど、一度ヨーロッパに身を置き、そちらに慣れた渡辺からすれば、あらためて日本の、そして東京の魅力を再発見する午後のひとときとなったようだ。

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