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野澤零温“いちばん下”からの下剋上ゴール。「自分は諦めの悪い男」「ギラギラ感はすごくある」。キャンプの終わりに浮き出てきた存在感と、可能性を信じて走り出したあの1点の記憶【リード文からコメントの2/3まで無料公開】

 

二次キャンプ中の野澤零温。撮影:後藤勝

 2月4日、FC東京は宮崎シーガイアスクエア1で二次キャンプの打ち上げとなる45分×3本の練習試合をおこない、サンフレッチェ広島を相手に4-0の勝利を収めた。この練習試合ではディエゴ オリヴェイラが2ゴール、仲川輝人が1ゴールを決めたほか、SC相模原への期限付き移籍から復帰したFC東京U-18出身の野澤零温が1ゴールを決めている。

 得点の匂いが漂わないセットで、短い出場時間しか与えられなかった野澤零が終盤、ドリブルで左から持ち込み、サイドネットに突き刺した。得点の可能性を信じたが故に決まった東京トップでの対外試合初ゴールは、可能性を信じて走り出したあの1点──相模原在籍中に決めた唯一のゴールと、ある意味では似ているのかもしれない。

 ここでは終了直後の囲み取材から、私(後藤)が自ら訊ねた範囲の質疑を一問一答の形式で掲載し、その後、一年前のユース在籍時に語っていたことや、SC相模原での意地の1点を踏まえて彼が東京にとってどのような存在になるかを考えていく。

◆一問一答

──けがで出遅れた分、ほかの人に比べてギラギラ感がすごいのではないかと思うが、それは今後の巻き返しに向けて強く影響する?

 そうですね。
 自分のなかですごくギラギラしているつもりで、やっぱりゼロから、いちばん下からのスタートなので、もう「喰ってやろう」という気持ちはすごくあって。沖縄キャンプ最終日で復帰して、そのあとの小平の練習でも復帰して、YS戦もちょっと出たんですけど、あまりいい結果を出せず、終わってしまって。本当に、腹の底から悔しいという気持ちがすごくあったので。今日はいつもとちがうと言ったらアレなんですけどやっぱりそのギラギラ感はすごくあって、今日は点を獲ってプレーで(ギラギラ感の一部を)少し示せたのかなと思いますけど、まだまだ足りないですね。

──キャンプの打ち上げは一度組分けが整理される時期でみんな選手は一旦はこれを受け入れるが、そのことについての気持ちは。

 うーん、やっぱり自分の立ち位置はもともと低いとわかったうえでここ(東京)に戻ってきたので。去年も同じような状況でいちばん下からのスタートと思っているので、別にその、外れるのは正直いまの実力なら当然と思いながらやっていたので。ただその、当然と思っているものをしっかりここから巻き返すために腐らずやっていって。自分は諦めの悪い男でもあるので、しっかり積み重ねていって、自分の立ち位置をしっかり逆にして。やっぱり自分の力を証明してみんな戻ってきたので、いちばん最初に戻ってきたときに言ったみたいに、結果を出して「おかえり」とちゃんと認めてもらえるように、自分自身はやっていきたいなと思います。

一次キャンプでリハビリ中の野澤零温。撮影:後藤勝

──相模原で、序列(なかなか試合に絡めない)もそうだが、戦い方も全然フォワードにいいボールが出て来ないような戦いぶりで、いろいろな意味で不利だった、でも最後、自分の力で無理やり1点獲ったというあれ、ああいうフォワードとしてやりにくい状態で1点獲った経験は、いまどう活きているか?

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