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「視座を高く保て」と長澤徹監督。好ゲームを演じるも、味スタの基準で考えれば課題が浮き彫りになった2-2の引き分け【J3第19節レポート】

 

前半は左、後半は右のサイドハーフを務めた内田宅哉。積極的な姿勢が印象に残った。


 8月4日、FC東京U-23は味の素フィールド西が丘でJ3第19節に臨み、4位のガイナーレ鳥取と対戦。2-2で引き分けた。序盤の20分間で原大智が2ゴールを決め、楽勝かと思われたが、前半38分にミスから1点を返されると、後半4分には前節まで5ゴールと今季ブレイク中の林誠道に同点ゴールを決められた。その後も林に決定的な場面を許したがしのぎきり、なんとか敗戦には至らず1ポイントの獲得に成功した。
 
 ポジティヴなパフォーマンスの合間に、未熟さが挟まっている。
 長澤徹トップチームコーチ兼FC東京U-23監督は「磁石(作戦盤)の話をする前に、フリーマンからフリーに渡ったときのトラップミスは味スタ(トップチーム)ではできないミス。自分たちで(自分たちの)クビを締めてしまった」と、随所に甘さがのぞいたことを指摘。自分たちが好むプレー、得意なプレーでは力を発揮するが、不備もあるのが現状だ。トータルでいい仕事をしなければ出場する条件を揃えられないトップチームの基準に足りないものを埋めていく作業が必要だと、あらためて浮き彫りになる一戦だった。
 
◆鳥取の粘り強さを象徴する最後尾と最前線のキープレーヤー
 

FC東京アカデミー出身の井上亮介。ガイナーレ鳥取の守護神としてJ2昇格に挑む。


 ガイナーレ鳥取の高木理己監督を、山梨学院大学附属高等学校サッカー部の監督だった指導者として記憶しているサッカーファンも多いかもしれない。高木監督は大木武監督が指揮を執っていた当時の京都サンガF.C.でコーチを務め、湘南ベルマーレでは2016年にヘッドコーチを務めたこともある。昨シーズンまでの二年間、鳥取のU-18で監督として活躍していたが、今シーズンは2015年以来4年ぶりにトップチームで仕事をしている。この2015年に見ていた選手が現在、トップで先発に名を連ねているが、記者会見ではチーム内得点王の林とFC東京U-18出身の井上亮介についてそれぞれ解説をしてくれた。
 東京に先行されながらも2-2に追いつく粘り強さ。それを個人として体現していたのは、まさの彼らふたりだった。
 
 高木監督は林が加入した2015シーズンに鳥取トップチームのコーチを務めていた。そのときから“速さ”という特長はあったという。
「彼のスピードをどう活かしていくか、準備してきたものが花開いている。2015シーズン加入当初はウインガーのような選手でしたが、そこを抑えられると攻守に不安定な面がのぞくところがありました。今シーズンはフェルナンジーニョとの絡みで深さをつくるべく動きを整理したところが彼の成長につながっていると思います」
 
 FC東京アカデミーから鹿屋体育大学を経て鳥取に加入した井上も、コーチ時代に高木監督が見ていた選手。井上については、

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