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【有料記事/ルヴァンカップGS第5節第1報】米本拓司の帰還。約300日ものあいだ留守にした味スタへ(2017/05/11)

5月10日夜、大宮アルディージャとのルヴァンカップGS第5節への途中出場というかたちで、米本拓司が味の素スタジアムに帰ってきた。2016年7月17日のJ1セカンドステージ第4節vs.柏レイソル戦以来297日ぶり。昨年7月23日、J1セカンドステージ第5節「多摩川クラシコ」の試合中に右膝を負傷、そのまま離脱した米本にとっては、篠田東京の一員としてピッチに立つのは初めてのことだ。

今シーズンはここまで4月30日に開催されたJ3第6節のvs.AC長野パルセイロ戦で後半32分から途中出場、5月6日に開催されたJ3第7節のvs.FC琉球戦で前半33分まで先発出場を果たしていたが、J1カテゴリーでの出場は初めて。リーグ戦ではなくルヴァンカップが舞台だが、傷めてから再びJ1のグレードでプレーするまでに291日もの期間を必要としたことになる。

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試合後の共同記者会見の冒頭総括で「米本(拓司)がああやって長い期間リハビリをしてからこのスタジアムでピッチに立てたことは、われわれもうれしいし、本人もこれで一歩を踏み出せたかなと思います」と語った篠田善之監督に、米本について訊ねた。

──その米本選手ですけれども、本人はここ何週間か「大丈夫だ」ということは言っていました。しかしJ3で15分、30分と、少しずつ出場時間を刻みながら、慎重に復帰させてきました。このカムバックまでにチームはどういうプランで彼を戻そうとしてきたのでしょうか。

「彼は三度めのオペですし、本人が大丈夫と言ってもこれだけ長い期間ゲームから離れる、こうやって本番のゲーム──J1とJ3は全然ちがうし、先週J3で出ましたけど、J1で時間をしっかりと制限して。もちろんゲームの流れで出す出さないは、もうちょっと長かったり短かったりするかもしれないけれども、メディカルのところと、本人はもちろんやりたい、だけれども、われわれとしては慎重にならざるをえないし、彼もがまん強く与えられた時間でこういうプレーをすることによって、いろんな雰囲気だったり、視野の確保はできると思うので、メディカルと本人とわれわれ現場でしっかりと話をして、納得したうえで、きょうサブに入れています。これからもっとよくなると思うし、もっと長い時間使ってみたい選手のひとりなので、それ(進展、J1に出られる状態かどうか)はトレーニングで見てみたいと思っています」

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昨年7月23日、vs.川崎フロンターレ戦で負傷した膝の状態は「右膝十字靭帯断裂・内側靭帯損傷」と診断され、スペインで手術に臨んだ。異例の措置だった。2010年2月25日には小平グランドでの練習中にけがをしたときの診断は「左膝前十字靱帯損傷および左膝外側半月板損傷」で全治6カ月、2011年4月24日のJ2第8節千葉戦で再び左膝を傷めたときの診断は「左膝前十字靱帯損傷」で全治8カ月。大きな膝のけがは三度めだ。しかも左だけでなく右も。選手生命に関わるほどの事態から、リハビリに耐え、米本は昨年夏と比べて遜色ないパフォーマンスを発揮するまでに調子を戻してきた。
しかしそこに涙はない。精神的にも強くなったのかもしれない。
「J3で復帰していたし。泣きはしなかったですね。

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