【有料記事】求められる攻撃力の向上<1>速さと激しさを標榜する篠田東京に適合。中島翔哉「速い攻撃だったら相手も掴まえづらい」(2016/09/09)
篠田善之監督が指揮を執りはじめて以降のFC東京は、つい最近まで、ムリキを左サイドハーフに置くことが攻撃のポイントになっていた。前田遼一、東慶悟、河野広貴が前線からプレッシャーをかける傍ら、攻め残りに近いかたち。ボールを奪ってからすばやく攻めるチーム戦術のなかに、タメをつくってパスを出すムリキという個人戦術を埋め込んだ恰好の攻撃は、そこでアクセントが加わりテンポが変わることもあり、興味深いものだった。しかしキープレーヤーだったムリキは負傷により当面離脱する見込みで、このポジションに中島翔哉が入ってきた。個の特長がちがえば、自ずと戦い方には若干の変化が生じる。
チームとしての動きのなかに個人が入ってくるという点ではムリキと扱いが似ているが、中島のプレースタイルはムリキとは異なっている。奪ってからチームメイトにすばやくパスを出す/出してリターンをもらう、あるいは自らドリブルで持ち込みシュートを撃つ/ドリブルで外に持ちだしてクロスを入れる、という一連の動きはスピーディで、一気呵成の攻めを求めるチームのやり方にマッチしているように映る。おりしもチーム全体の戦術理解度が深まってきている昨今、中島がこの組織になじめば、さらに攻撃力が向上するのではないかと期待せずにはいられない。
球際が激しく、攻守の切り換えが速い。いや、切り換えというよりは、フィニッシュを見据えてその起点としてボールを奪いに行く、と言ったほうがいいのかもしれない。攻撃の第一歩がボール奪取になっている。奪ったらすばやく展開し、一気にウラを衝き、少ないタッチ数でシュートを撃つ。チームとして、ゴールまで運ぶことができるようになってきている。この変化は中島が志向するところと合致している。
中島は言う。
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