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【有料記事/J1第10節第2報(最終)】コメント◆米本拓司、橋本拳人、羽生直剛+解説(2016/06/16)

◯解説

【J1第10節】城福浩監督の言う“最大値”をいかに発揮するか、苦心のあとが見受けられるメンバー編成だった。
運動量とスタミナ、守備の技術と戦術とパワーに秀でた選手で4-3-3(4-1-4-1)を採り、タテに激しい上下動を繰り返すサッカーをすると失点を防げる。しかし得点数が伸びない。そこでムリキを入れた。ムリキにも得手不得手があり他の選手と同様のハードワークをこなせるわけではないが、それでも全体の守備の強度をできるだけ下げずに攻撃力を高めたい。最低限の任務をムリキに課しつつ攻撃に割く力を残させ、チャンスをつくる。攻守に羽生直剛とはじめとする周囲の選手がムリキの不足を補う。この条件でムリキに仕事をさせるために、彼を4-4-2のトップに置いた。そういう意図があったのではないだろうか。
プラス面とマイナス面を考慮してより値を最大に近づけるべく布陣を決めた、という意味では、橋本拳人のサイドバック起用もそのとおりだろう。サイドバックとしての経験が浅いぶんのデメリットとメリットを秤にかけ、あえてあの位置で使いつづけている。この15日の対サンフレッチェ広島戦では、橋本が失点と得点の両方に絡み、なんとも判定しがたい結果となったが、少なくとも成長が感じられ、いい面が出ていたことはたしかだ。
羽生と橋本の言葉からは、そうした最大値をめぐる工夫と選手の努力が伝わってくる。
副キャプテンとして以前よりも強くリーダーシップを漂わせる今シーズンの米本拓司は、試合の狙いや戦い方のポイントを端的に説いている。そのようにわかりやすく話せるという点の成長もさることながら、中心選手としての存在感を醸し出してきていることも感じられる話しぶりだ。

◯米本拓司の談話

勝たなければいけない試合でした。
(4-4-2は対広島ということではなく)中三日のときにチャレンジしてみようということで、きょう使いました。4-4-2でも全然違和感なくできましたし、しっかりと決めるところでチャンスを決めておけば。
相手の青山(敏弘)選手を誰が見るか(のすり合わせ)はすごくやっていました。ムリキ選手や前田(遼一)選手が見られないときには、ぼくとヒデさん(高橋秀人)が一枚前に出ると話し合いながらやっていたので、それは前半からうまくできたと思います。しかし奪ったあとのカウンターの精度は上げないといけない。
(前節の)ジュビロ戦は最初に、相手にチャンスを与えていた。入り(キックオフからの導入部)はしっかり守備から入ろうと言っていました。4戦連続無失点はみんなのがんばりがあってこそだと思う。それを最初に意識して入りました。相手はなんだかんだと言いながらカウンターのチームだとぼくら自身も思っていたので、

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