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【第3報】マッシモ フィッカデンティ監督の会見をもとに最終節と1st ステージを総括する“grazie a voi , grazie a voi , grazie a voi.”/2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第17節 FC東京対清水エスパルス【4,626文字】(2015/06/29)

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マッシモ フィッカデンティ監督の会見をもとに最終節と1st ステージを総括する
“grazie a voi , grazie a voi , grazie a voi.”

試合後の共同記者会見では、ステージ最終節後ということもあり、対清水エスパルス戦だけではなく、ファーストステージを振り返るとともに、今後に向けての見通しが語られた。ここでは、マッシモ フィッカデンティ監督の談話の各段落のあとに、その補足をしていくことで、よりはっきりとFC東京の現状を認識したい。

その前に少し。
ファーストステージのうち最大の危機であったリーグ戦の連敗中に生じた、わかりやすい変化としては、基本フォーメーションの変更が挙げられるだろう。
4-1-2-1-2または4-1-2-3から、4-4-2へ。攻守両面での機能が求められるインサイドハーフが両ワイドを使うサイドハーフに転じ、中盤の中央がアンカーひとりからセントラルミッドフィールダーまたはボランチふたりに変わった。これには米本拓司の負傷による離脱も影響しているかもしれない。

この過程で起こっている興味深い現象といえば、左サイドハーフの選手が得点をつづけていることだ。第15節では橋本拳人、第16節では中島翔哉、第17節では東慶悟。東が語っていたように、3バックのスペースを衝くなど、相手に応じた面もあるだろうが、サイドに高い攻撃意欲が顕著だ。武藤嘉紀を左サイドにまわした4-4-2系の布陣を施したときからの潮流なのかもしれないが、トップ下もいない2トップであるぶん、フォワード以外の誰かがフィニッシュに関与していかなければならないことは明確で、それが「次なる武藤」の発掘につながっているのかもしれない。

それでは会見の談話を辿っていこう。

 

◯試合の総括

試合前も言ったのですけれども、難しい試合になることは予想していました。相手の順位(残留を争う降格圏)はありますけれども、非常にいい選手を抱えています。スピードもあります。何人かけが人はいますが。
【ワッショイ注:うがった見方をすれば、負けたときの責任を軽減するべく、予防線を張る意味で「難しい試合になるだろう」と予想していたのかもしれない。しかし、たとえそうだとしても、同じカテゴリーに楽勝できる相手などいないという事実は変わらない。J1はチーム力が接近したリーグだ。そして大前元紀をはじめとして、似たような、ちいさく俊敏な選手が危険な飛び出しをすることも予想されていた】

非常にいいプレーをしていた。苦しい時間帯もありました。ゴールを決めたあと少しよくなり、1点獲られたあと、もう一度修正することができ、難しい時間帯で交替がうまくいったと思います。特に羽生(直剛)選手の投入です。あの時間帯、しっかりとゲームをつくることができました。
【ワッショイ注:2014年のJリーグヤマザキナビスコカップ開幕戦の対鹿島アントラーズ戦の再現を観る思いだった。球ばなれがよく、すばやいパス&ゴーを繰り返すことで、一定のリズムをつくる羽生の効果は抜群で、彼の投入によって攻撃が活性化した。羽生は昨年から「自分たちでボールを持つ時間を伸ばしたい」という意味のことを言っており、このチームが攻撃面で課題を抱えていることを早くから指摘していた】

2-1、3-1になり、そのあとより容易に試合を締めることができたと思いますけれども(そうはならなかった)。あそこに関しては4点めを獲って締めないと常に危険な状況がつづきます。
清水の2点めはほんとうにすばらしかった。そこでまた試合がオープンになってしまって。そのなかでなんとか勝つことができ、ファーストステージ2位という結果を得ることができました。
35もの勝点を得たことで、より確信を持って、自信を持って将来を見据えていける。
浦和に関してはほんとうに信じられないファーストステージでした。過去にどれだけ、このような成績を残したチームがあったかわからない。そこに関しては認めたいと思います。わたしたちもよかったと思います。きょうはよさを確認できる内容であったと思います。メンタルも、ほかの部分も。

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