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【有料記事/J1第9節第2報】復調した太田宏介の陰に東慶悟。左サイドの好循環がチーム全体にも波及、連勝の要因に(2017/05/01)

4月24日取材時の太田宏介。アルビレックス新潟に勝ち、手応えを掴んでいた。

4月24日取材時の東慶悟。「(太田宏介は)仲がいいから褒めてくれるんでしょう」と謙遜していたが、実効性の裏付けがあっての、東に対する太田の高評価だった。

左寄りのエリアから左足で蹴り、右へと巻きすぎることなくゴール左隅に決めた直接フリーキック。そして東慶悟のパスを受け、橋本拳人のゴールをアシストした左からのクロス。これら2得点に絡んだJ1第8節のvs.アルビレックス新潟戦につづき、4月30日の第9節のvs.サンフレッチェ広島戦でも決勝点の起点となる左コーナーキックを蹴り、ゴールの右上角に当てるフリーキックを蹴るなど、太田宏介は精度の高いプレーでFC東京の攻撃を牽引している。彼の活躍を認めない者はいないだろう。

第9節の試合後、共同記者会見の場で太田の好調について訊ねると、篠田善之監督は次のように答えた。
「太田はクロスやフリーキックのキッカーですが、前線でクロスを上げるタイミングを東(慶悟)がうまくつくってくれている。太田もチーム内の競争のなかで、常に危機感や緊張感をもってトレーニングに取り組んでいる。その姿勢が彼のよさを最大限に引き出しているのではないかと思います。ミキッチ選手とのマッチアップの場面もうまく抑えることができ、彼の課題と言われている守備の部分もしっかりできている。日頃のトレーニングが、いまの状態をつくっていると思う」

注目したいのは東慶悟の名前が挙がったことだ。左サイドバックの太田の前にいるのは左サイドハーフの東。この左サイドの連携が向上したことで隣接した選手たちとの連動がよくなり、ひいてはチーム全体に活気をもたらしているとともに、一定頻度で太田が攻撃参加する余地をつくることによって、繰り返しチャンスをつくることができている。東が太田を助けることによって、東京のリズムができているのかもしれない。

まだ新潟での勝利の記憶も新しかった4月24日、太田宏介はこう言っていた。
「(得点を決めたフリーキックは)それまで、試合ではあの位置で蹴ることがなかったからよかった」
高い位置でチームメイトが倒されてフリーキックのチャンスを得られるほどに前がかりになっているということなのだが、じつは太田自身のプレーエリアも以前より前線に近づいていた。後方でディフェンスをして上がりを自重するのではなく、攻撃にかかわる機会が増えていた。そしてそこに出ていくためのスペースをつくり、上がったあとにパスを配球しているのは東だ。太田はつづけた。
「(東)慶悟は

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