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【始動コラム第7弾】「自分がいるときに優勝したい。それがモチベーションですね」「優勝して辞めたい。それがいちばんの理想」石川直宏が語る自身の行く末と前田遼一について(2015/01/30)

始動コラム第7弾◆「自分がいるときに優勝したい。それがモチベーションですね」「優勝して辞めたい。それがいちばんの理想」石川直宏が語る自身の行く末と前田遼一について

 

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アルゼンチン開催のワールドユースをめざした年代別代表を観ていて、大きなストライドでカモシカのように飛び跳ねる石川直宏に衝撃を受けた日本人は少なくないのではないだろうか。石川は国際試合に出場しては、アフリカのリーチの長さや、欧州の強さとも異なる、独特の、規格外の身体能力とリズムによって、世界を相手に突破を果たしていた。そして同じチームに、懐の柔らかな長身ストライカー、前田遼一がいた。
「(前田)遼一は、いっしょにやったのはユース代表のとき。19(歳)ですね。ぼくらの世代ではエース、上の存在だったので、ともにプレーすることが楽しみでした。ほんとうに巧いし、力を引き出してくれる存在だった。またこうして同じチームでサッカーができる。ほんとうに楽しみです」

石川がアウトサイドなら前田はシャドー、石川がシャドーなら前田はトップというように、近くでプレーすることが多かったふたり。石川から見て、前田はどんなプレーヤーだったのか。
「やはり気を遣える選手だということですね。周りの力を引き出してくれる印象が非常に強かった。そこからさらに、ゴールを獲る。
やさしい部分もある。そこからパワーアップしてゴールを自分で狙いに行って、ぼくが説明しなくても。ゴールを獲れて周りを活かすこともできる選手ってなかなかいないし、より近いところで仕事をしたいなという思いはありますね。ポジショニングも含め。アシストしあったり」

当時のプレーを思い起こすと、ボールを受けたあとにもう一度前を向けるところは、たしかにすごかったと言うと、石川は頷いた。
「そうですね、その前を向くタイミングが絶妙だし、からだも強いので、相手にしてみたら嫌な選手なのではないかなと。ウチ(東京)のスタイルもありますけれど、彼の力は必要だと思います。目標であるタイトルに近づくために。
競争はもちろんありますし、遼一にとってもそういう競争が刺激になると思う。ぼく自身もいっしょに刺激を受けながら成長したいと思います。こういう年齢で求められて移籍してきてというキャリアの重ね方は理想だし、そういう競争はしたい。初めての移籍なので慣れないじゃないですか。自分でもそう言っていたけれど、吉本(一謙)にさっそくイジられていた(笑)。すぐに打ち解けられると思います。遼一がどうなっていくのかも楽しみですね」

ミスタージュビロが東京のエル・プリンシペと邂逅するのも、長くつづいたキャリアの賜物か。横浜F・マリノスでの優勝経験がある榎本達也も加わり、羽生直剛や石川といった年長組にとっては、チームをまとめる労苦を分かち合ってくれる頼もしい仲間が増えた。
「もとからいる選手としても責任を感じます。変えたい、変えなくてはいけない部分はわかっているつもりです。そういう変化を、新しく加わった選手たちといっしょにもたらしたい。かたちになりつつあった去年ではあったけれど、最後はそうはならなかった。監督は二年め、やるべきことはわかっていますし、ひとつの結果として表現したい」

石川は1月現在で33歳。5月に34歳を迎えるが、過去に在籍していたアマラオやルーカスを鑑みれば、肉体的にはここから先の三、四年は一定の状態を維持してプレーできるだろう。そうすると、現役をいつまでつづけるかは、人生設計や実生活の都合などによって左右されるのではないか。不躾に質問をぶつけると、彼は次のように答えた。

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