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「彼がここを離れるのは残念なのですけれど、彼の決断を尊重したい」(ポポヴィッチ監督)【今週の小平】ランコ ポポヴィッチ監督、石川直宏、大竹洋平、林容平(2013/06/15)[3,939文字]

期限付き移籍の契約期間満了で退団する李忠成最後の日、6月14日は、新潟キャンプ出発前の小平最終日でもあった。
李忠成について、またキャンプや今後の課題などについて、監督や選手に訊いた。

今季序盤戦、ともにスーパーサブとしてベンチに控え、2004年以前にもチームメートだった石川直宏は、次のように語っている。
「彼自身もそうなんですけど、周りの評価がずいぶん変化したなと。それはあいつの変化があったからこそだと思うんですけど。いい意味でですけどね。
その期待の大きさを、ぼくは間近で感じて“すげえなぁ”と(笑)。すごいところであいつは戦っていると思うし、プレッシャーもあるだろうけど、あいつらしく短い期間でやってくれたんじゃないかなと思います」

ランコ ポポヴィッチ監督は、李忠成の代表復帰へと向けたアドバイスに、クラブチームで力を発揮することと、もうひとつ、心と体のバランスをとりコントロールできるようになることを挙げた。
第二次キャンプの途中で加入、急ピッチで調整しながら試合に出るというドタバタ、短い契約期間で結果を残すというプレッシャーからか、李が初ゴールを記録するまでにずいぶんと時間がかかってしまった。おそらく、絶好のチャンスを自ら演出しながら何度も外したその時期を指してのことだろう。

戦力が欠けるのは痛いが、反面、席が空くということでもある。ポポヴィッチ監督は「若い選手が伸びてきていますし、能力の高い選手はたくさんいますから、その選手たちがこのチャンスをしっかりと掴みとってほしいと思います」と期待を寄せている。

その若い才能のうち、このところ、三田啓貴とともにビブスなしのファーストチームに入って練習をしている林容平は「ボールを失うことが多いのが課題と思うので、そこは減らしていきたい」と自覚しながら、キャンプ以降激化するだろう競争のなかでのアピールを誓った。
また、ボランチを脱してサイドハーフなど前めのポジションでプレーするようになった大竹洋平も「いま前をやっているうちに自分のよさを出していきたい」と、ひそかに闘志を燃やしている。
大竹は「チュンくんから学んだことを意識してやっていきたい」と言う。李忠成という異物感がもたらす効果には賛否両論あるだろうが、残した刺激は確かにある。この、チーム状況の変化をも糧として、J1再開に向けてさらにパワーアップしてほしい。

なお大竹によれば、コンフェデの開幕戦は録画を頼んであり、朝、新潟のキャンプ地へと向かう往路、チームバスのなかで観る予定だそうだ。

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