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2012 J1第27節【FC東京vs.ジュビロ磐田】<今週のピックアップ> 石川直宏パート2(2012/10/01)

(パート1からのつづき)

気負わないように、とは昨日監督に言われました

──後半の2ゴールはサイドの選手からすると、駆け引きに勝った末のものと言えますか?

石川 いままではクロスを上げたとき、中にひとりしかいなかったものが、得点のシーンでは両方ともにふたり、三人といたし、そこで潰れてもうひとりが決められるような(決定機でした)。
中でつくって外、という攻撃は結果としてもあらわせたと思うし、チームとして、もっと中でつくって外、という意識を持ってもいいと思います。

──相手の運動量が落ちた後半だからできることもあるのかもしれないけれども、前半にどういう戦いをすればいいのか、なかなか難しいのでは。

石川 相手のには若くフレッシュな選手が多くて、前からプレスをかけてきていた。そこで、自分たちの理想もあるんですけど、つなぐ以外にも少しウラへの意識を持って長いボールを入れる、割り切ったプレーも必要だし。そこで相手を下げさせてはじめてつなぐことができたりする。やはり高い位置でボールを廻したいので、その辺りにチームとしてのイメージの共有は必要かと思います。相手がかなりプレッシャーをかけにきていたのはたしかです。

──少ない本数のパスで一気にゴールを陥れるような?

石川 もう少し前を見て、獲った瞬間に狙う意識。その辺りがぼくのような受ける立場としては物足りなかった。出ていく回数も少なかったんですけど、そこにボールが出てくる回数も少なかった。

──ヴチチェヴィッチ選手のところでボールが収まると周囲としては助かりますか?

石川 前を向いて勝負できる選手ですし、そこに追い越す選手も出てきたり。ネマも自分で仕掛けて、チームとして前への推進力が特に後半に生まれたので、そこが前半は少なかったかなと思います。ボールを少しキープしてもうしろに下げてしまうシーンもありました。
彼はチームに勢いをもたらすことのできるプレーヤー。ぼく自身ももっとチャレンジしてもいいかな、と思います。

──得点後もクロスバーに当てたシュートなどで襲いかかり、駒野選手のサイドに蓋をできた手応えはありますか。

石川 駒ちゃんは一発があるので、そこには十分注意しながら。特にウチの左サイドバックの(椋原)健太との連携は非常によかった。うしろから声を出してくれもするので、中に絞るのか、外で付ききるのかという連携はやりやすかった。前半は右で(徳永)悠平がぼくとの連携をとっていましたけど、きょうはサイドバックとの連携がよかったと思います。ぼくひとりというよりは、連携のなかで守備ができた。

──駒野選手との駆け引きに勝つ、いちばんのポイントは。

石川 獲った瞬間ですよね。どちらのボールになるのかという予測も含めて。たとえば(前田)遼一にボールが収まれば、そこを出てくる回数も増えますし、チームとしてそこをしっかり抑えることと、自分自身のポジショニングですかね。少しボールウオッチャーになると、その瞬間に駒ちゃんが出てくるし。出てこられないようなポジションを最初からとったなかで、守備をする。

──オフサイドになりましたが、駒野選手のクロスを前田選手に決められたシーンがありました。

石川 そういった一瞬の隙を衝ける選手もいるので、そこは十分注意していました。

──前半はブーイングも起きていましたが、プレーしている立場としては焦りはなかったんですか。

石川 そうですね。失点した(9分)かたちも、その前に(7分)ぼくと悠平のところでマークがはっきりしなくて、ヘディングシュートをされて、というのもあったし。(形成を逆転するには)自分のたちの修正ができるかどうかにかかっていたので、そこ以外で言えば、もう少しボールをつなぐ意図と意味。
なんと言えばいいのか、前に運ぶことで相手が嫌がると思いますし、きょうのメンバーで言えばエジ(ミウソン)が入っていたので、エジのところで(ボールを)つけて、そこにうまくボールを預け、相手を集めて両サイドに振る、そういうイメージがはっきりしなかった。
ただつないで、ワンタッチ、ツータッチで廻しながらだけど、ではどこを狙うのかが少し曖昧な、(パスを廻す)かたちだからこそのもどかしさはありました。

──ウラに、ダイアゴナルに抜けてもボールが出てこなかったようですね。

石川 まあ、あれは実際のところ、あの一本(の斜めの走り)でボールが出てくるとも思っていないですし、自分が動いたあとのスペースを誰かに使ってほしいのと、あとはぼくの理想で言えばエジとか前の選手に一回入って、落ちて、その瞬間の三人目に。いまのかたちだと、どうしてもボールを持ったら顔を上げて、そこが空いているから蹴る、という単発なので。
やっぱりワンクッション入れて、一回クサビに当てて落ちたところのタイミングで、ぼくは出ていきたい。理想はそこなんですけど。

──先行して動いているのは、そこに当てさせるためでもあるんですか。

石川 それもあります。あとは、試合の流れで動きがちいさくなっている分、そういう大胆な動きを自分でしてみて、どうかな、ということも考えたり。いろいろ試行錯誤はしているんですけれども(苦笑)、なかなかリズムが変わらなかった、という印象です。

(残り 2016文字/全文: 4143文字)

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