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大団円……2022シーズン最終節・熊本戦(A)マッチレビュー

 

▼2022明治安田生命J2リーグ 第42節

10月23日(日) 14:04キックオフ/えがお健康スタジアム(21,508人)
ロアッソ熊本 3-4 横浜FC
【得点】
5′ 熊本/杉山直宏
20′ 横浜FC/小川航基
46′ 熊本/林誠道
48′ 熊本/松本大弥
54′ 横浜FC/小川航基
82′ 横浜FC/ガブリエウ
88′ 横浜FC/マルセロ・ヒアン

 

前節、金沢に敗戦しながらも自動昇格が決まった横浜FCは、同時に優勝の目もなくなっていた。しかし2022シーズンの締めくくりとなる敵地での試合に、選手たちが勝利を目指す理由は三つあった。まずはプロとしてのプライド。熊本にはホームでの前回対戦で負けているし、敗れて3連敗でシーズンを終えるわけにはいかない。次に、サポーターのため。「わざわざ飛行機や何やでお金をかけて応援しに来てくれるサポーターもいる」(亀川)。ホームでの最終戦で連敗してしまっているだけに、なおさらそれに報いなければならないだろう。そして最後に、「シュンさん(中村俊輔)を笑顔で送り出したい」(長谷川竜也)。その気持ちでチームは一つになっていた。

熊本にとっても、J1参入プレーオフに4位で進出するか5位になるかは天地の差がある。5位の大分とは勝点1差であり、この最終節はどうしても勝たなければならない試合だった。そんな状況のホーム最終戦でもともと多くの来場が見込まれていた試合が、急きょ俊輔の現役最後の試合とも重なり、チケットは飛ぶように売れ、来場者数は2万1千人を超えた。

「素晴らしい雰囲気、最高の舞台」(四方田修平監督)で行われた試合は、内容は大味ではあったかもしれない。結果はホームチームにとっては残念なものとなったが、大分が琉球に敗れたこともすぐに伝わったに違いなく、熊本のセレモニーが始まるまでの時間を、横浜FCと俊輔のために譲ってくれた。「26年間お疲れさまでした」と場内アナウンスが響き、俊輔もスタンドに深々と頭を下げ、手を振って応える。ゴール裏で記念撮影の後、胴上げで宙を舞う俊輔。最高のフィナーレだった。

 

【選手交代】(横浜FCのみ)
60′ 山下→山根、俊輔→伊藤翔
75′ 功佑→ハイネル、和田→マルセロ
80’ マテウス→武田

 

▼苦戦の前半。俊輔、最後の奮闘

横浜FCは市川暉記が第29節・岩手戦以来の先発出場を果たし、今夏加入したマテウス・モラエスが初出場を先発で飾った。そして最大のサプライズは中村俊輔だった。スタメンに名を連ねたことも驚いたが、左腕にキャプテンマークを巻いて先頭でピッチに入場。「ヨモさん(四方田監督)と竜也からの提案だった」(俊輔)といい、「感謝しながらプレーすることが恩返しになる」と背番号25は胸に誓っていた。

しかし、試合は横浜FCにとって、とりわけ往年のファンタジスタにとって苦しい展開となった。

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