HAMABLUE PRESS

中村俊輔「自分の理想はいつまでもある。だけど現実はそうじゃないから。最後の熊本戦、その時その時でベストなプレーを」……10/19 練習後コメント

 

試合前に昇格が決定したホーム金沢戦の2日後、中村俊輔選手の現役引退が発表されました。10/19のトレーニングには多くのメディアが押し寄せ、終了後に俊輔選手の囲み取材が行われました。その模様をほぼ全文でお届けします(質問者の所属はハマプレのみ記載)。なお練習レポート、ほかの選手のコメントは明日以降の更新となります。

 

■中村 俊輔

――現在のコンディションは?

「手術してて3カ月くらいやってなくて、そこ(復帰して)から3週間目か4週間目で昨日(の試合)だった。まあ練習試合もやってましたけど。手術のかいあって、多少良くなって、上がってると思いますけど」

 

――昨日クラブから正式リリースがありましたが、今のお気持ちは?

「次の試合に向けて、というだけですね。終わったら終わったで、やることもありますし」

 

――いろんな方から連絡も?

「LINEだったり電話だったり、いろんな方から連絡をもらって。逆にこっちから連絡したり。感謝の思いを伝えさせてもらいました」

 

――印象に残ったメッセージは?

「まあ、そういうのは記者会見もあると思うんで、そのときにまとめて(笑)。こないだの試合に出て、次の試合も出られるように集中するだけですね」

 

――日曜日の熊本戦が最後の試合になりますが?

「昇格が決まって、チームとして一つの目標は達成できた。でもシーズン最後まで、という気持ちで。無駄な試合、気持ちが緩んでいい試合なんて一試合もない。出たらいつも通り、自分のプレーができるようにしたいですね」

 

――最後にどういうプレーを見せたいですか?

「いや、いつも通りです。……(この間10秒)……まあ、いつも通りですね(笑)。戦う姿勢だったり、“魅せる”じゃないですけど、相手の逆を突いたり、全体を見渡すプレーだったり、仲間にいいパスを……、はい、いつも通りです」

 

――今日の練習でも、サッカーを楽しんでいるというか、笑顔が多かったと思います。やっぱり最終戦も楽しみですか?

「最終戦が楽しみというより、試合が楽しみですし、毎日の練習も楽しみですし」

 

――今日は練習中、ほかの選手とどんな話を?

「ミーティングでは、俺が引退するということで、監督から『最後の試合、みんなで頑張って送り出そう』と言ってくれた。まあ、だとしても、みんな一人一人いろんな状況があるし、そんなのもまったく気にしないで、相手がいる限り全力でやるのがリスペクトだと思うので、絶対に無駄な試合にならないように全力で頑張っていければなと思います」

 

――最終戦に向けて、監督から言われているのは?

「特にないです。いつも通りです。戦術面で俺一人に言われることも特にないので」

 

――最終戦のピッチでどういうプレーを見せていきたいですか?

「うーん……、組織的にサッカーをやることによって、ワンプレーで状況を変えられる選手って今、なかなかいないじゃないですか。そういうプレーです。ミスしてもいいんで、自分のプレーをして、今まで1年間やってきた仲間、スタッフ、みんなで戦うということです」

 

――俊輔選手は自分の憧れの存在でもありました。子供たちがたくさん注目を……

「って、言わせたいの? すいませんね、気を遣えなくて(笑)。まあでも、もう最近はあまり試合に出れなかったからアレですけど、やっぱり応援してくれるファンの方々、ずっと昔から支えになって、助けてくれた方々がいるし。1試合残して昇格ができたから、こうして発表もできた。最後、もしかしたら出られるかもしれないし、(プレーしている)姿を見せられたら少しでも恩返しになると思って発表させてもらったので。三ツ沢ではご挨拶できなかったので、熊本になりますけど、そういう思いを込めてプレーをできればと思います。……(質問したメディアのTVカメラと違うカメラ目線で話していたことに気づいて向き直り)これか、すいません、気を遣えなくて(笑)。自分、自分になってしまいました」

 

 

(ここからペン記者だけの囲み取材)

 

――熊本の地で最終戦になりますが?

「いや別に、どこであろうと。一番良かったのは、もう1試合前とかで決まってたら(ホーム最終戦の前に発表できた)というのはあるけど、今シーズンはそんなに出てないし、あまり貢献できてないんで。まあ、アウェイで1試合残して昇格できたのはチームにとって良かったし、今は連敗しているし、1年通して同じ相手に負けていないので、熊本にはホームで負けているし、チーム全体や各々がそういう良いモチベーションを、難しいけど絶対に上げていきましょうと。その中の一つで(四方田監督は)俺のことも言ってくれたんだと思う。でも俺のことはまったく気にしないでいいし、やりつくしたという感じはあるし。最後の、少しでも出られたらいいし。それを見せられたらまたいいし。こないだは三ツ沢で出れたのは本当に良かったし。欲を言えば、もっとシーズン中、手術はしょうがないけど、貢献しなきゃいけなかったし。でもこうして年齢がたつにつれて、試合に出れないけど、そういうところの枠みたいなのは横浜FCは大事にしてるから。ベテランの人のタイプにもよるけど、全体を、いろんな振る舞いとかさ、カズさんをはじめそうだったように、大事にしてくれるから。それを全うして。紅白戦でも、1年を通して、今どきは週明けから主力組とサブ組に分かれちゃうから。その時点で「ああもう、サブなんだな」「メンバー外なんだな」と薄々分かりつつ1週間プレーするってのはすごくしんどいことだから。それを感じたのもいいし、仲間同士で鼓舞しあって、全力で相手側のことをやるのって本当に辛いけどそれをやって、それで初めてスタメン組は試合の前にいろんな課題とかが出て、それを生かしていくわけだから。だからチーム全体ってのは、そういうことなんだけど。レギュラーのままどこかで早めに終わってたら分からなかったし、苦労している若い選手のこととかも。それが分かったのは良かったですよ」

 

――試合後に、試合に出た選手から「サブ組にチンチンにされることも多くて、それが勝てた要因になっている」という話を聞くことも多かったです。(hbp)

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