【無料記事】惜別の秋……10/19 練習レポート
10/19(水)。夜半は雨、朝は曇りでトレーニング開始から次第に日も差す。気温も朝は肌寒かったが終わりごろにはちょうどいい感じに。
前日に中村俊輔の今季限りでの現役引退が発表され、スポーツ各紙はもちろんTV各局も押し寄せて練習場はえらい騒ぎに。とはいえピッチの中はいつもと変わらず。昇格が決まって重圧から解放され、選手たちの表情もリラックスして見えた。前節終了後に右足を厳重にアイシングしていた中村俊輔だったが、この日も対人プレー含めフルメニューをこなし、現役最後の試合となる熊本戦出場に意欲を示した。
1週間前と同様にオフ明けのサーキットトレーニングから始まり、7対2のボール回しを経て、6対3のポゼッションからのシュートゲームを行った。そして最後に、ハーフコートでゲーム形式。亀川諒史は最終戦に向けて、「シュンさんのプロ生活最後の試合になるので、もし一緒にやれるのであれば、その時間は一生の、かけがえのない時間になると思う。それを本当に大事にしたい」と語った。引退を全員が知っていたわけではなく、オフに報道で知った選手もいたという。現実にリリースが出たことで「その時間」を全員が意識したのか、ゲーム形式での選手たちのテンションは今季見た中で最も高く見えた。プレッシャーの厳しさから攻守が目まぐるしく入れ替わり、ゴールネットが揺れる場面は少なかったが、引き締まった空気の中で激しい競り合いがあちこちで見られた。「シュンさんを必ず勝って送り出す」(齋藤功佑)ことに、チームが一丸となっている。
おそらくこれが最後の練習公開ということで、終了後に選手とスタッフが並んで訪れたサポーターに挨拶し、記念撮影を行った。あとは最後に熊本の地で、今季の有終の美を飾ってほしい。
(写真と文/芥川和久)