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【無料記事】J1復帰へ舞台が整ったホーム最終戦。三ツ沢に歓喜の歌よ響け……J2第41節・金沢戦プレビュー

 

▼予想フォーメーション

 

▼苦境の金沢は消化試合モード

金沢はプレーオフ進出も降格もない。残留が確定したのは前々節・岡山戦での勝利だったとはいえ、それは数字上のことであり、20位以下のチームの調子から見ても、勝点45に乗せた第38節・岩手戦かそれ以前から実質は消化試合モードに入っていた。

横浜FCにとっては金沢が岡山に勝ってくれたことは本当にありがたかった。しかし前節の金沢は、FC琉球に先制しながら逆転負けを喫した。崖っぷちとなった琉球の強さは、横浜FCも前々節で勝ったとはいえ非常に苦しめられたため、岡山に勝って琉球に負けるという結果にそう違和感はない。しかし琉球戦後の柳下正明監督は「気持ちの面が大きかった。琉球の選手たちは必死になっていた。われわれの選手たちは、100%を出し切って初めて良いゲームができるということをずーーーーーっと言っているが、まだ分かっていない」と、選手たちに気持ちが見えなかった試合にご立腹の様子であった。

これには消化試合での選手のモチベーションの難しさも感じられる。選手たちも人間であり、その心理として、崖っぷちから転落しそうな相手に“引導を渡す”ことには気が乗りきらなくても、上位カテゴリーに上がっていこうという相手の“背中を引っ張る”のであれば話は別で、岡山にも勝った。まして、その気の乗らなさに指揮官からカミナリを落とされた直後の試合だ。目の前で昇格を決めさせてなるものかと、岡山戦以上に気合を入れてくることは間違いない。

ただ、金沢のチーム状況は決して良くはない。確かに攻撃は、ここ4試合で10ゴールを挙げて好調に見える。それを牽引しているのが、今季広島から期限付き移籍し、第31節から10試合で6ゴールの松本大弥だ。広島ユース出身の22歳で、山根永遠の2年後輩。もともとボランチの選手だが、左サイドハーフで起用されるようになってから得点以外にも1アシスト、1オウンゴール誘発と攻撃の才能を開花させている。

しかし前節で、攻守の要のボランチ藤村慶太が前半で負傷交代。もともと怪我人が多く、ベストメンバーが組めずに夏場には泥沼の5連敗を喫した。今月に入っても紅白戦の人数がそろわない状況があったといい、もし藤村が出られない場合は松本をボランチに戻す選択もあり得る。そもそも藤村が出ているときでも、第24節から17試合連続失点中の計35失点と守備は崩壊気味。トップスコアラーの林誠道や松本、また前回対戦でやられた庄司がセットプレーで点を取れてはいても、なかなか苦しい状況にある。

 

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