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【無料記事】J1復帰へ舞台が整ったホーム最終戦。三ツ沢に歓喜の歌よ響け……J2第41節・金沢戦プレビュー

 

■今節の相手:ツエーゲン金沢

▼基本情報

16位/勝点48/12勝12分16敗/得点53/失点67
主な得点者:林誠道(12)、 松本大弥(7)、杉浦恭平(6)、豊田陽平(6)、庄司朋乃也(4)、大石竜平(4)、嶋田慎太郎(3)、ほか
主なアシスト:杉浦恭平(6)、松田陸(5)、長峰祐斗(5)、平松昇(3)、林誠道(3)、藤村慶太(3)、ほか

 

▼前回対戦を振り返る

第21節(6/11)、アウェイで1-1のドロー。前半はボールを支配し、11分にイサカ・ゼインのクロスから小川航基が決めて先制。しかし圧倒していた割には前半のシュートは2本と少なかった。後半、金沢がプレスのかけ方を変えてくると、運動量が落ちてきたことも重なって防戦一方に。75分にセットプレーから追いつかれ、慌てて反撃に出たが微妙な判定にも泣かされ、勝点2を取り損ねる結果に。

リーグ前半戦最後の試合であり、このドローによって横浜FCは3位で折り返すこととなった。この試合で初めてハイネルと和田拓也がダブルボランチを組み、後半途中から亀川諒史を投入して守備時は4バックを組んだ。このあと第22節・仙台戦、第23節・新潟戦の直接対決2連戦に連勝し、首位を奪い返した。

金沢は前半戦を12位で折り返したが、怪我人続出で夏場の第27節から泥沼の5連敗(その間2得点17失点)で一時は残留争いに片足を突っ込む。それでも前々節に岡山を3-1で降して残留を確定させた。6月に鳥栖から身長187cmのCB、孫 大河を獲得し、庄司朋乃也とともに主軸となっている。

 

■J1復帰へ舞台が整ったホーム最終戦。三ツ沢に歓喜の歌よ響け

▼自動昇格へ王手。試合前に決まる可能性も……

横浜FCは前節、ホームで大分に2-3で敗れた。岡山が13時キックオフで先に試合を行い、それが引き分け以下に終われば試合前に2位以内が確定する可能性があったが、岡山が甲府に勝利。勝てば昇格を決められる横浜FCだったが、常に先制を許す苦しい展開に。航基が2ゴールを挙げて二度追いついたが、古巣戦となった野村直輝にスーパーな弾丸ミドルシュートを突き刺され、三度は追いつくことができなかった。

昇格決定はこの金沢戦に持ち越された。今節も同様に、岡山が秋田と14時から試合を行う。それが引き分け以下に終われば、試合開始2時間前に昇格が決まる。ちょうど選手たちがクラブハウスを出るか、三ツ沢に向かっているタイミングだろう。岡山が勝った場合は暫定での勝点差は2に縮まる。もちろん勝って昇格を決めることを信じているが、引き分けの場合は勝点3差、負けた場合は勝点2差で最終節に持ち込まれる。

最終節に戦う熊本は既にプレーオフ出場を確定させ、4位になるか5位になるかを大分と激しく争っている。熊本には前回対戦で敗れているし、最終的にもし勝点で岡山に並ぶと得失点差で上回られることは確実なため、そこまでもつれることは避けたい。自力で決められる、あと1勝。とはいえ同時に追い込まれた状況とも言える。このところ秋田が3連勝と好調なことにまずは全力で他力本願だ。他力本願と言えば、前日に試合を行った新潟は東京Vに0-1で敗戦。金沢に勝てば勝点1差となって最終節、J2優勝の目も出てきた。

大分戦を終えた選手たちは、「この試合ができるなら、次で昇格を決められる」(和田拓也)と口をそろえた。前線からアグレッシブにプレスをかけ、ボール支配率リーグ2位の大分にボールを持たせず、ショートカウンターからチャンスを作り、ゴールを奪った。チームへのフィット感を増しているマルセロ・ヒアンが前線でロングボールを収めたことで、中盤でボールを握り、シュート数では17対11と上回った。3失点はしたが、いずれも相手の技術や駆け引きをほめるべきスーパーゴールで、崩されてのものではなく、そこには運の要素もある。「あの日は、ワタシたちの日ではなかったね」。ベンチ裏から試合を見守ったスベンド・ブローダーセンはそう仲間を労った。

リーグ序盤戦の快進撃を支えたアグレッシブな姿勢を、大分戦が取り戻させてくれた。いつもはチームの出来に厳しい和田も「今季で一番良かった」とニコニコだ。『この金沢戦で決める』、それ以外のことを考えている選手は一人もいない。この終盤で7つの無失点試合を演じた堅守にアグレッシブさを加え、最高の状態で運命の一戦に挑む。

 

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