「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

マルティノスや前田直輝の大仕事に期待 [ルヴァンカップ準決勝第2戦 ガンバ戦プレビュー]

 

 第1戦で左ひざを負傷した栗原勇蔵が戦線を離脱した。今週に入って全体練習に復帰していたファビオも再離脱した模様で、最終ラインの編成が難しい状況となっている。中澤佑二とコンビを組むのは第1戦で途中出場したパク・ジョンスになる見込みで、ベンチに新井一耀が控える構成だ。そのほかのメンバーについては第1戦と変わらない面々が先発に名を連ねるだろう。

 第2戦をホームで戦えるのは準々決勝・大宮アルディージャ戦と同じ展開である。当時はアウェイで戦った第1戦を1-2で落としたが、第2戦を見事1-0で勝利した。アウェイゴールの価値を体感する結果となったわけだ。今回は残念ながらアウェイゴールを決められず、「どちらかというとガンバにとって好ましい結果」(エリク・モンバエルツ監督)かもしれない。

 しかし、勝てばOKというとてもシンプルな状況でもある。スコアに関係なく、勝利すれば決勝の舞台に立てる。失点したときに引き分けでは足りない状況になるが、最初から『勝利』が勝ち上がりの条件だと考えればいい。同点止まりの場合、スコアレスドロー以外は敗北だ。頭に入れておくべきは、1点取られた瞬間に延長戦に突入する可能性が消えること。そして90分の中で2点以上取ることが勝ち上がりの条件となる。

 いかにして得点を奪うかがテーマだが、選手層は正直言って心許ない。中村俊輔が負傷離脱し、齋藤学は日本代表に追加招集された。遠藤渓太もU-19日本代表に先週されて不在。流れを変えるカードは明らかに不足しており、戦術的なバリエーションをもたらす選手もほとんどいない。しいて挙げるならば、ゴールを狙う局面で富樫敬真を投入して2トップにシフトすることくらいか。

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 一昔前よりもオフェンスの迫力が増し、ゴールの匂いも漂っている。とはいえ先制点を与えたときに複数得点が必要になる条件は決してラクではなく、ガンバは1失点しても大丈夫という余裕を味方にできる。したがって前半は0-0で折り返し、後半のどこかでギアチェンジしたい。相手が前に出てくるタイミングを見計らってカウンターで仕留めるのが理想。マルティノスや前田直輝の大仕事に期待だ。

 ナビスコカップのグループステージから、マリノスは総力戦でここまでやってきた。それはルヴァンカップのノックアウトステージに入っても変わっていない。持っている力を出しきり、ファイナルの地にたどり着きたい。

 

 

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