「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

別れの季節 ・・・アデミウソンの来季マリノスに籍を置く可能性はゼロに近い [来季のチーム編成についてvol.2] 藤井雅彦 

 

エリク・モンバエルツ監督の契約更新が正式発表されたことは、選手の去就に少なからず影響を与えるだろう。一般的に、重用されている選手にとって監督続投は歓迎すべきニュースで、ベンチウォーマーやベンチ外の選手にとってはあまり好ましくないニュースとなる。先発でピッチに立てるのはあくまで11人だ。2015シーズンを見れば、指揮官の趣味趣向が起用法に色濃く反映されるのは明らかである。

あらためてエリク・モンバエルツ監督を招聘した今シーズンをスタートから振り返りたい。時計の針を1月に巻き戻すと、チームが始動したタイミングでの所属選手はちょうど30人だった。新加入選手は新卒のFW仲川輝人(専修大→)、MF中島賢星(東福岡校→)、GK田口潤人(横浜F・マリノスユース→)の3選手。そして他クラブからの移籍加入選手は0人であった。

始動後、沖縄と宮崎で行ったキャンプ中に離脱選手が続出した。クラブはシティ・フットボール・グループ(CFG)のサポートを生かし、開幕直後にFWアデミウソンを期限付き移籍で獲得する。この時点でポジション別バランスはGKが4選手、DFが9選手、MFが12選手、FWが6選手の、計31人での構成となった(登録ポジションを遵守。二種登録のユース所属FW和田昌士は除く)。

次に夏の移籍ウインドーで若干の動きを見せる。と言っても新たな選手獲得はなく、余剰戦力の放出がメインとなった。前年と比較して出場機会が激変し、CBとボランチの両天秤のような起用法に複雑な心境に陥ったとみられるMF富澤清太郎がジェフユナイテッド千葉に完全移籍を決意。ほかではMF佐藤優平がアルビレックス新潟に期限付き移籍で旅立った。結果として夏以降は29人での編成となる。

ちなみに今シーズンのリーグ戦で一度もベンチ入りしなかったのは2年目DF北谷史孝とルーキーGK田口潤人の2選手のみ。一度もピッチに立たなかった選手をカウントすると、その両選手にDF天野貴史、GK鈴木椋大、MF中島賢星の3選手が加わった5人のみである。シーズンを通して全選手が健康な状態で揃うことは一度もなかったが、指揮官は現有戦力をほぼフル活用して戦ったといえる。

来季に向けては、すでに新卒で5選手の獲得が明らかにされている。まずユースから前出の和田とともにMF遠藤渓太が、さらに今季の特別指定選手にもなっていたFW富樫敬真(→関東学院大)とDF新井一耀(→順天堂大)、そして韓国人DFパク・ジョンス(→慶煕大学)の5選手である。新卒選手から+5という人数は多い数字といえるだろう。

 

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