二刀流にとどまらないユーティリティ性。高いサッカーセンスと物怖じしないメンタル ~自らチャンスを手繰り寄せた金井貢史~ [連載コラム: あの時、あの瞬間…]
不定期でお届けする『あの時、あの瞬間…』は、ピッチ上でのワンシーンを切り取り、選手の思考を織り交ぜながら、掘り下げていく企画だ。
2018年の初回は、チームが公式戦初勝利を挙げたルヴァンカップグループステージ第1節・FC東京戦に途中出場した金井貢史にフォーカスする。栗原勇蔵のアクシデントによって金井に声がかかったのは、誰にも予想できない開始7分の出来事だった。
ウォーミングアップルームからベンチに移動し、スパイクの紐を結んでいる最中だった。
「タカシ!!」
監督やコーチングスタッフから名前を呼ばれ、すぐ異変に気付いた。キャプテンマークを巻く栗原勇蔵が座り込み、自ら『×サイン』を出していた。すぐに出場の準備を整え、ウォーミングアップする間もなくピッチへ。こうして金井貢史の2018シーズンは急きょ幕を開けた。
本職ではないセンターバックでの出番となったが、これは金井自身が手繰り寄せたチャンスだ。
話は宮崎キャンプにさかのぼる。今年のマリノスには中澤佑二、栗原勇蔵、ミロシュ・デゲネク、西山大雅、生駒仁という5人のセンターバックが在籍しているが、そのうち高卒新人の西山と生駒はJリーグ新人研修のため宮崎キャンプ序盤は不在。そのため紅白戦などを行う際にセンターバックの駒が足りず、そこで一時的にコンバートされたのが金井だった。
当初は違和感を覚えていたが、最後尾からショートパスをつなぎ、さらにハイラインを保つ独特のスタイルにすぐさま適応し、順応していく。キャンプ終盤、宮崎産業経営大学との練習試合にセンターバックとして出場。これは金井自身が志願したからこその起用法で、本職がセンターバックの西山が右サイドバックで出場する逆転現象が起きていた。
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