条件をクリアした上での勝利を収め、未来を切り拓く。 2023シーズンの歩みが正しかったと胸を張るために [ACL 山東泰山戦プレビュー]
感傷に浸っている暇はない
いよいよ2023年のマリノスがフィナーレを迎える。
最後の最後が大一番になった。明日、ACLのラウンド16進出を懸けて山東泰山と対峙する。平日の17時キックオフという一般的社会からするとなかなか難しい条件ではあるものの、間違いなくクラブの未来を左右する大一番だ。
グループステージ突破の条件が非常に複雑。他グループの結果次第で、それは本稿に入りきらない今夜の試合結果によるところもある。
分かりやすく現実的な可能性を載せておくと、まずは同グループの仁川ユナイテッドがカヤFCに勝利することを条件に、マリノスは明日の試合を2点差の勝利でグループ2位突破、3点差の勝利でグループ1位突破を決められる。あるいは4-3の勝利でも仁川を上回って2位に滑り込み、突破となる。
「点差などの条件は頭に入っている。笛が鳴った瞬間から点を取りに行くし、それはずっとやってきたこと。最初から焦りを持つ必要はないし、チームの力の引き出し方は自分もしっかり舵を取りながらやっていきたい」と話したのはキャプテンの喜田拓也だ。自分たちのサッカーにフォーカスしながらも、ピッチ上の監督は条件面を把握しておく必要がある。あるいはベンチとのコミュニケーションが必要な場面があるかもしれない。
ケヴィン・マスカット監督とともに戦う最後のゲームだが、残念ながら感傷に浸っている暇はない。それを最も強調したのは、他ならぬ指揮官自身である。
「この世界にいると感情という部分が付き物になる。こういう時期だからこそ感情をコントロールし、抑えられればいいかなと思う。6~7日前にいろいろなことが決まった中でその時は感情的になったが、今は落ち着いているし、パフォーマンスが大事だと思っている」
余計な感情を排除し、全身全霊でグループステージ突破を目指す。
その一戦に臨むメンバーについて、多くを語るような時期ではないだろう。
もっとも重要な試合なのだから、何かを打算で考える必要はない。今のベストメンバーで臨み、キックオフと同時に相手ゴールに迫ればいい。得点王のアンデルソン・ロペスが、局面を打開するエウベルが、左利きのヤン・マテウスが血眼になって大量得点を目指す。
(残り 678文字/全文: 1774文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ