「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

喪失感を乗り越え、チームとして何を見せられるか。 先発濃厚の山根陸は「もったいないことはできない」と言い切った [J34節 京都戦プレビュー]

 

2位確定で迎えるリーグ最終節

 

極寒の韓国で戦ったACL仁川戦から中4日で京都サンガF.C.戦に臨む。隣国とはいえ国境をまたぐ移動があったわけで、無念の黒星を喫した影響もあって、疲労は倍増しているはず。勝利するための大前提として、フィジカル面の回復を挙げたい。

ただ、このリーグ最終節に関しては体よりも気持ちが重要かもしれない。前節の結果でリーグ優勝の可能性が消え、それどころか2位が確定してしまった。最終節を待たずに順位が確定するシチュエーションは意外と珍しい。

誤解を恐れずに言えば、勝つ意味を見つけにくい。結果がすべてではなくても、結果が最も尊い。ひとつでも上の順位を目指して長いリーグ戦を走ってきたのだから、その必要性がなくなってしまった意味も当然大きい。

偽らざる本音を言葉にしてくれたのは角田涼太朗だ。

「僕も含めて優勝だけを見て、やってきた。正直、優勝がなくなった時は自分でもビックリするくらい喪失感というか、そんなに感じるものではないと思っていたら、意外と……。それをみんなが感じていると思う」

 

 

最大目標への意識と意欲が強かった。今季のマリノスは選手もスタッフも、もちろんサポーターも優勝だけを目指してきた。失ったものの大きさは計り知れず、気持ちを切り替えるのは言葉で言うほど簡単ではない。

モチベーションを見つけることが第一歩だ。累積警告で出場停止の喜田拓也に代わって先発濃厚の山根陸は言い切る。

「(優勝を逃して)100%何も思っていないかといったら、そんなことはない。でもサッカー選手である以上、どんなにつらくても次に進まなければいけないし、次が来る。もったいないことはできない。勝って何かを掴めるかといったら今回はそうじゃないかもしれないけど、来シーズンに向けてもそうだし、僕自身の成長のためにも、大事な試合になる」

 

 

勝利によってマリノスの強さと存在意義を示したい。

 

 

背番号11に得点王の栄誉を

 

アンデルソン・ロペスには得点王という明確なモチベーションがある。

 

 

「得点王を目指す」と最初に宣言したのは1月下旬の宮崎キャンプだった。直後の練習試合でゴールネットを揺らし、開幕後も数字を積み上げてきた。1試合2得点のマルチゴールは実に8回。ここまで21得点を挙げ、得点ランキング2位につけている。

 

ヨコエク

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