「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

杉本健勇が本領発揮の公式戦2試合連続ゴール。 引いて守るカヤFCを3-0で粉砕する[ACL(3) カヤFC戦レビュー]

 

ゴール前に背番号41がふわりと舞う

 

トップの位置に入った杉本健勇とボランチの渡辺皓太は、いずれも第一声で「難しいゲームだった」と述べた。安堵の息とともに。

 

 

試合開始と同時にカヤFCは5-4-1-のブロックを敷き、ゴール前を固めてきた。マリノスにスペースを与えず、おそらくは0-0の引き分けも最高形のひとつとして視野に入れていたのだろう。

 

 

四方八方を敵に囲まれた杉本は考えた。守備網から離れるように下がってボールを受ける選択肢や、比較的プレッシャーの緩いサイドに逃げる選択肢もあったが、誰かが最前線でターゲットにならなければいけない。だから、あえてこの位置で踏ん張った。

「前半は相手がどう来るのかを見ていたけど、最初からドン引きだった。なかなか背後のスペースがなくて、真ん中を固められていた。自分としては我慢の試合だった。なんとか前でディフェンスラインを引っ張るのとクロスに入っていくこと」

シンプルに上げたクロスは跳ね返され続け、コンビネーションプレーも黒山の人だかりに効力を消される苦しい展開が続く。そんな状況で生まれた水沼宏太の先制点は大きかった。クロッサーにとどまらない進化を示している背番号18が、均衡を破った。

 

 

試合のハイライトは72分のこと。後半に入ってもカヤFCを押し込み続けたマリノスは、左サイドにポジションを移していた水沼がエンドライン近くからバックパス。ボールを受けた吉尾海夏がダイレクトでクロスを入れると、ゴール前に背番号41がふわりと舞う。

 

 

打点の高いヘディングシュートで公式戦2戦連発の杉本が「海夏が素晴らしいボールを上げてくれた。バックパスに対してワンタッチで上げろというのは海夏にも伝えていた。その通りにやってくれた」と後輩に賛辞を送れば、アシストの吉尾は「もバックパスをワンタッチクロスで絶対にいけると話されていた。それが狙い通り結果に結びついてよかった。アシストをつけていただいて、ありがとうございますという感じ」と頬を緩ませた。

 

 

狙い通りの形から奪った追加点で、マリノスの勝利はほぼ確定したと言っていい。

 

 

福岡戦を見据えたマネジメント

 

マネジメントが難しい試合だった。

 

 

ヨコエク

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