右サイドバックの上島は高く、強く、そしてシンプルさを強調。右サイドバックでの新たな可能性を示す [J15節 福岡戦レビュー]
背番号15の大きな決心
右サイドバックの主戦である松原健の出場停止をうけ、このポジションでアビスパ福岡戦に先発したのは上島拓巳だった。
今季、柏レイソルから完全移籍で加入した彼の本職はセンターバック。空中戦や対人に強く、屈強さを武器にするタイプだ。水曜日のルヴァンカップ札幌戦では久しぶりのセンターバック起用に燃え、及第点以上のパフォーマンスを見せていた。
それがサイドバックでの起用となると、話はまったく違う。求められる要素が大きく変わり、お世辞にも機動力に優れるタイプではない上島にとっては難しい役回りを強いられる。富士フィルムスーパーカップのように専守防衛を貫くならやり方もあるだろうが、マリノスのサイドバック像を求めるとどうしても苦しくなる。
だが、実際には大きな決心とともにこの試合へ入っていった。
「これまで右サイドバックは緊急的なオプションだったけど、これからはスタメンを狙っていこうという意識を持っていた。小池龍太選手が長期離脱している中で、自分がポジション争いに加わることがチームの底上げにつながる」
つまり、サイドバックとして戦う覚悟である。
この言葉には「もちろんセンターバックが自分の本職だし、そこでスタメンを勝ち取りたいのは大前提」という前置きがある。畠中槙之輔やエドゥアルドへの挑戦をあきらめたわけではないし、戦っていける自信もあるのだろう。
いまチームに求められている役割の中でどのように立ち振る舞うのがベストなのか、彼なりに考えた末の結論だ。
右サイドバックの上島は高く、強く、そしてシンプルさが強調されていた。
肝心要の守備では、特に自陣ゴール前の防空戦で強さを発揮。相手ゴールキックや逆サイドからのクロスに対し、圧倒的な存在感を見せてチームをピンチから救う。
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