前田のポストプレーは秀逸の一言。 レオは2桁得点を達成し、水沼は9アシストで2桁に王手 [J36節 浦和戦レビュー]
もっと強くなるための宿題を与えられた
試合後、浦和レッズのシステム変更について問われた仲川輝人は珍しく語気を強めた。
「相手どうこうというよりも、自分たちのサッカーをするだけ。相手がどのシステムでも僕たちには正直関係ない。相手の守備が良かったのはあるけど、その前に自分たちのミスが多かった」
圧倒的なアタッキングフットボールという長所と特徴を持つマリノスと戦うにあたり、どのチームも対策を講じてくるのは当たり前の話だ。無策や素手で臨んでくる相手など、もういない。
あるチームはマリノスに負けず劣らず高い位置からプレッシャーをかけてきた。あるチームはすべてのエリアでマンツーマン気味の布陣を用いて良さを消そうとしてきた。そして、あるチームは自陣深くまで下がってゴール前を固めてきた。
浦和レッズが仕掛けてきたマリノス対策の精度が高かったことは認めざるをえない。とはいえ、あくまでも試合の構図であって敗因にはならない。冒頭で仲川が言っていたように、相手が引いて守るならばこじ開ければいい。クオリティと手数で圧倒すればいいだけの話だ。
そこで気をつけなければいけないのは一瞬の隙を突かれての失点で、この試合では1失点目のセットプレーも2失点目のカウンターも、両方の場面で少しばかり甘さをのぞかせてしまった。本当の意味での強者になるためには、どちらも絶対に与えてはいけない失点だった。
圧倒的にボールを保持していたが、決定機はそれほど多くなかった。サッカーではありがちな展開に陥ったのはなぜか。そして、この状況を打破するために何が必要だったのか。
もっと強くなるための宿題を与えられた格好だ。
ゴールが教えてくれたモノ
一矢報いる形でのゴールシーンは示唆に富んでいた。
自陣でボールを持った高丘陽平はショートパスではなく、相手陣内の深い位置を狙ったロングボールを選択。空いているスペースを狙ったというよりも、とにかくボールを前へ進めようという狙いだったように見えた。
落下地点に入った前田大然がDFをブロックしながらボールを収め、味方へつなぐ。前田に対応したのは浦和の最終ラインの選手で、その時点で頭上を越された形になった中盤の選手が置いていかれる形に。
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