「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

迎えた後半、ケチャップがドバっと飛び出た。 口火を切ったのはマルコス・ジュニオールだ [J7節 横浜FC戦レビュー]

 

背番号10は冷静に燃えていた

 

開幕からここまでの6試合、マリノスは自分たちらしいパフォーマンスをなかなか見せられずにいた。強敵や苦手とする相手ばかりとの対戦で3勝1分2敗という戦績は及第点と言えるが、納得できる内容の試合は見当たらない。どこかモヤモヤを抱えたままの日々だった。

 

 

昨日の試合の前半も例外ではなく、一進一退で難しい状況に。山根陸のプロ初ゴールが取り消しとなり、以降はシュートすら思うように打てない。不用意なボールロストがカウンターによるピンチを招く場面もあり、スコアレスで折り返せたのは御の字だったかもしれない。

 

 

迎えた後半、ケチャップがドバっと飛び出た。

口火を切ったのはマルコス・ジュニオールだ。相手陣内の高い位置でボールを奪うと、これをアンデルソン・ロペスが優しいタッチでマルコスへ。背番号10が左足でコースを狙ったシュートは鮮やかにゴールネットを揺らした。

 

 

水曜日のカップ戦に続く公式戦2試合連発。リーグ戦に限ると、昨季はまさかの無得点に終わったため2021年11月以来のゴールだ。喜びを爆発させたマルコスはそのままゴール裏へ走り、お立ち台に上がってゴールパフォーマンスを披露した。

 

 

西村拓真が体調不良で欠場し、燃えないはずがなかった。それでも頭の中は冷静さを保てていたのだろう。「一つひとつのボールタッチに集中することを意識した。そしてチームのために何ができるかを考えてプレーした。自分もゴールを決めたいが、チームの勝利が一番大事」といつも通りに頷いた。

その後、アンデルソン・ロペスとエウベルが2ゴールずつを挙げ、マリノスは計5得点。高い能力を誇る助っ人選手たちがトリコロールに歓喜をもたらした。

 

 

 

 

山根陸が見せた実効性の高さ

 

山根陸に触れないわけにはいかないだろう。

小池龍太が再離脱し、松原健も間に合わなかった。この状況でケヴィン・マスカット監督はいくつかある選択肢の中から、ユース出身でプロ2年目の19歳を右サイドバックの先発として送り出した。プレシーズン中はサイドバックで過ごす時間もあり、開幕後も試合途中からこの位置を務めていたが、スタートからは初めて。試合前は普段と異なる緊張感と戦っていたのだろう。

それだけに試合後の晴れやかな表情が印象的だ。

 

 

ヨコエク

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