栗原2:フラストレーションMAX / 中町3.5:魂の胸トラップシュートの代償は大きい/樋口3:無理に攻めに出ない采配をとったのは正解 [柏戦 採点&短評]
※5が最高で1が最低。採点は0.5刻み。
GK 1 榎本 哲也
「3」
直近のリーグ戦でファインセーブを連発し、その流れのまま前半に被決定機を防いだ。しかし後半の2失点はいずれも見せ場にできず。1失点目のレアンドロのシュートはお手上げだが、2失点目の工藤のシュートについては「いまの流れなら止めたかった」と悔しがっていた。
DF 13 小林 祐三
「3.5」
アシストのクロスは完璧だった。インパクトの際に足元にボールを入れすぎる癖があり、鋭いボールがなかなか蹴れない。あの場面はニアサイドでバウンドするようにこすり上げていたことが奏功した。退場者が出てから攻め上がりを自重したことは第2戦につながるはずだ。
DF 4 栗原 勇蔵
「2」
度重なる誤審にフラストレーションMAXで、ボールを叩きつけた行為が異議と判定されて1枚目の警告。後半にはインターセプトを狙うための出足が一歩遅れ、相手と入れ替わることを阻止して警告。内容と経過はどうあれ、退場になったことでチームの首を絞めてしまった。
DF 22 中澤 佑二
「2」
全体的な内容は悪くなかったが、この日は1失点目のワンプレーがすべてだった。相手選手が蹴ったロングボールは狙っていたパスというよりもクリアボールで、非常に難しいコースとバウンドになった。どの対応が正しかったのか。それは彼自身が今後のプレーで示してくれるはず。
DF 23 下平 匠
「2.5」
前半にバー直撃の左足シュートを放つも、惜しくもゴールならず。チーム全体でポゼッションする時間が短く、高い位置でのパス能力を発揮しきれなかった。また、2失点目に関しては、相手のラストパスを予測して中央へ絞っていればゴールを決めた工藤に対応できた可能性がある。
MF 8 中町 公祐
「3.5」
盟友・小林のアシストを受け、魂の胸トラップシュートで一時は同点となるゴールを決めた。しかし、その代償は大きく、もたらした1点と引き換えに右腓骨を骨折し、途中交代を余儀なくされた。全治4週間見込みという診断のため、残念ながら第2戦も含めてしばらく離脱することに。
MF 6 小椋 祥平
「3」
持ち前のボール奪取能力も発揮していたが、それよりも中盤での球際の強さが光った。五分五分のルーズボールや浮き球などをうまく処理してマイボールにすることで、守備回数を減らして攻撃回数を増やした。第2戦のパートナーは不透明だが、この選手が軸になるのは間違いない。
MF 25 藤本 淳吾
「2」
前後半ともにまったくと言っていいほど存在感がなかった。前半は右MFとしてプレーしたがミスが多く、運動量も少なかった。中村が交代した後半はトップ下に入ったものの、こちらでも見せ場を作れず、栗原が退場した場面では痛恨のボールロスト。この内容では評価できない。
MF 10 中村 俊輔
「2.5」
試合前から持病の股関節痛が再発していたようだ。どうには先発出場していたが、ハーフタイムに耐え切れずに交代することに。最近は高い位置で効果的なプレーをしていただけに心配ではあるが、長引かせるわけにもいかない。第2戦は欠場濃厚だが、仕方ないだろう。
MF 7 兵藤 慎剛
「3」
試合開始直後の接触プレーで右ひざと右足首を同時に負傷。一度はピッチか出たもののすぐに復帰した。しかし時間経過とともに痛みが増し、最後は交代となった。相手を背負いながらボールを受けて味方へ的確につなぐプレーは効果的だっただけに、チームとしても痛い負傷になった。
FW 16 伊藤 翔
「2.5」
最大の見せ場は44分の反転シュートだった。しかし、GK菅野孝憲の好セーブに阻まれてしまった。その後は主に左サイドに流れてからチャンスを演出したが、ゴールには結び付かず。逆に2失点目の場面はピッチのほぼ中央でボールを失い、そこからパスをつながれてやられた。
MF 26 三門 雄大
「2.5」
右MFでの出場は2月のACL第1節・全北現代戦以来のこと。準備段階ではまったくこのポジションを務めておらず、あまりにも場当たり的な采配で、その犠牲者になった感が強い。一度狂ったリズムは戻らず、ボランチに移ってからもチグハグなプレーに終始。第2戦はボランチとして見直したい。
DF 24 奈良輪 雄太
「2.5」
サイドハーフとしてのプライオリティーが上がっている。練習では端戸や伊藤もこの位置で起用されているが、試合になると同ポジションにおける交代の一番手として重宝されている。奈良輪自身は懸命のプレーを続けているとはいえ、チームとしては苦しい現状を物語っている。
DF 15 ファビオ
「-」
栗原の退場を受けて途中出場した。最近はアバウトなプレーが目立つのが気になるが、次の試合での先発は確定的。試合開始からピッチに立てば、中澤とともに守備を引き締めてくれることだろう。セットプレーの場面では持ち前の高さを生かしたゴールも期待されている。
樋口 靖洋 監督
「3」
この日の交代カードすべてが負傷で、さらに退場者を出すというアクシデント三昧の試合だった。リードされ、数的不利になった状況で、無理に攻めに出ない采配をとったのは正解だろう。ただし第2戦では第1戦以上に細かなマネジメントや応用力が問われるのは言うまでもない。