「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

ラフィーニャが天皇杯に出場できない理由 [天皇杯3回戦北九州戦プレビュー] 藤井雅彦 -1,436文字-

 

大前提として、この天皇杯3回戦・ギラヴァンツ北九州戦にラフィーニャは出場できない。なぜならば天皇杯の登録が完了していないからである。

4-4-2_藤田_伊藤 出場できると勘違いしがちな理由は、彼が夏のウインドーオープンと同時にJリーグに登録されている点だ。マリノスは中断期間中にラフィーニャを獲得し、中断明けの第15節・セレッソ大阪戦から起用可能になった。

とはいえ天皇杯は別の大会である。詳細を明かすとすれば、大会が違うため登録先が違う。JリーグやナビスコカップについてはJリーグへの登録が必要だが、天皇杯は日本サッカー協会への登録が必要になる。

そして天皇杯の1回戦から3回戦までについては7月2日が登録期限に指定されている。それまでに登録が完了されていない選手は3回戦まで出場できない。特例として、チームが4回戦に進出した場合、指定の人数の範囲内で登録入れ替えが可能になる。

今回の場面に当てはめると、ラフィーニャはどうやっても3回戦までは出場できず、マリノスが仮に北九州を破って4回戦に進出したときに初めて登録可能になる。逆に言うと、3回戦に出られるならば、2回戦のホンダ・ロック戦にも出場できたのだ。だが、現実的はどちらにも出場できない。

 

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そんなわけで明日の試合では、伊藤翔と藤田祥史が2トップを組むことになりそうだ。中村俊輔は連戦の疲労を考慮してベンチスタートの模様で、久しぶりに2トップスタートが濃厚になっている。藤本淳吾をトップ下に配置する布陣も考えられたが、FWの駒は有り余っている。システムを2トップに変更し、ベンチには端戸仁や負傷明けの矢島卓郎と、ラフィーニャを除く総動員体勢だ。

中盤に目を移すと、何箇所かの負傷を抱えている齋藤学の先発出場には懐疑的にならざるをえないが、そのほかは2列目で藤本、さらにダブルボランチは先日の徳島ボルティス戦で試運転を完了した富澤清太郎とU-21日本代表候補の喜田拓也が先発する。兵藤慎剛は徳島戦で首を痛めたためベンチには入らず、中町公祐も週末のリーグ戦に備えてスタンド観戦する。小椋祥平はCBのバックアップも兼ねてベンチスタートだろう。

最終ラインは右から奈良輪雄太、栗原勇蔵、ファビオ、そして下平匠の4人か。中澤佑二を川崎フロンターレ戦で全力投球させるため、実力者のファビオが先発する。奈良輪については先日の柏レイソル戦でも先発しているので大きな不安にはならない。GKは榎本哲也ではなく六反勇治が起用されそうだ。

当たり前だが、勝たなければいけない試合だ。相手は格下のJ2チームで、マリノスはリーグ戦でも十分に戦えるメンバーを揃えている。アップセットなど、決してあってはいけない。もしそんな事態になれば、リーグ戦6試合ぶりに手にした徳島戦での勝利は、水泡に帰すことになる。

樋口靖洋監督は「受けて立つのではなく、叩き潰さないといけない。相手がどこであれ、ウチはアグレッシブに戦わないといけない」とあらためて意気込みを語った。その言葉どおりの試合になることを期待したい。

 

 

 

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