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森重真人、称賛されるべきスーパープレーののち「個人個人が自分の持っているものを出すには、まずチームとしてうまく機能させないと」と述べ、献身性に可能性を見出す【2024 J1第4節vs.アビスパ福岡(AWAY)】

 

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

 昨年までFC東京のチーフマネージャー兼通訳を務め、現在はJFAに勤務する伴和暁は、同い年の森重真人の引退まで添い遂げることが出来なかったことが心残りだと言っていた。初のリーグ優勝をともに果たそうと誓い合った仲だった。そしてキャプテンに対し「年齢的に落ちたって言われるかもしれないですけど、ぼくはそうは思わない」とも。

 開幕直前まで、まさにその年齢がネックとなり第一線から後退したのではないかと捉えられかねない状況に陥っていた。森重と東慶悟は沖縄キャンプをやや出遅れた恰好でスタート。キャンプ中の練習試合でも2本目のメンバーであり、第1節の18人に入るか否かが危ぶまれる当落線上にいた。それでも帰京後のパフォーマンスが高かったためだろう、ベテランふたりは揃ってヨドコウ桜スタジアムの遠征メンバー入りを果たす。

 J1第1節セレッソ大阪戦を終えた土肥幹太が体調不良で離脱すると、森重は即、第2節サンフレッチェ広島戦の先発メンバーに入った。そして第3節ヴィッセル神戸戦でエンリケ トレヴィザンが退場処分となり、その神戸戦で途中出場していた木本恭生が第4節アビスパ福岡戦のピッチに立った。

◆なぜいい守備が出来たのか

 森重と木本、この2センターバックの“復権”が効いた。博多の森に降り立ったふたりは強気のハイラインでボールを回し、ボランチあるいはゴールキーパーと協調して攻守に鬼神のごとく走り回った。思えば負傷してしまった途中出場の東、この福岡戦が初出場初先発の高宇洋、そして森重と木本がセンターラインに揃った練習試合メンバーは、いつも自陣最終ラインから主体的にボールを動かし、パスをつないで相手ゴールに迫ろうとする意識が高かった。そのスタイルを公式戦でも表現出来るのか、あるいは東京を変えていけるのか。高もそれを一気に成し遂げられるかどうかはわからないような口ぶりだったが、実際には第3節までとは大きく変わっていた。

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