FC東京25周年記念ビール「25th Anniversary Beer “Authentic”」販売決定! クラブとともに歴史を歩んだアマラオアンバサダーが醸造開始に立ち会う【無料公開/Club Report】

ビールの仕込みに参加したアマラオアンバサダー。撮影:後藤勝

醸造所内には熱気がこもっていた。撮影:後藤勝
FC東京は9月1日、FC東京25周年記念ビール「25th Anniversary Beer “Authentic”」を9月23日開催のJ1第28節サガン鳥栖戦から10月28日のJ1第31節サンフレッチェ広島戦までのホームゲーム3試合で販売することを発表した。「25th Anniversary Beer “Authentic”」は前述のホームゲーム開催時、味の素スタジアムの青赤パークsupported by TOKYO GASでのみ飲むことが出来る。
製造は「T.Y.HARBOR Brewery」。東京都品川区の同店内にある醸造所で8月31日から醸造を始め、アマラオアンバサダーがその工程を見学、自らビールの仕込みに参加した。ここでは「25th Anniversary Beer “Authentic”」にまつわる諸々をレポートしていく。

楽しんでいる様子のアマラオアンバサダー。撮影:後藤勝
◆応援することを考え、飲みやすいものを

仕込んだ原料の数々。撮影:後藤勝

ホップを砕いたもの。撮影:後藤勝
「25th Anniversary Beer “Authentic”」の原料中90パーセントを占めるベースモルトにはマリスオッターを採用。このほかメラノイジンモルト、オーツと呼ばれる麦芽を原料に使用し、ホップを加えていく。
「T.Y.HARBOR Brewery」のブルーマスター、阿部和永さんが製造工程を説明してくれた。
「今回、25周年のビールをつくらせていただくにあたって、ウチでは26年前からずっとつくり続けているペールエールという看板商品があるんですけど、それと使用している原料はほぼいっしょなんですよ。けれども、醸造の技術的に最新の考え方を取り入れている。25年継続してきたものが──クラブもそうですよね、どんどんアップデートされていって、いまの形になっている、というストーリーを打ち立ててやらせていただきました。
エール酵母という比較的高い温度で発酵させるイーストを使うんですけど、みなさんがふだん飲まれている、ラガーっぽい特徴のある酵母なんですよ。 ですので、より繊細な味が楽しめて、さらに飲みやすい。ゴクゴクとスタジアムで飲めて、25周年をみんなでお祝いしながら、もうみんなで乾杯出来る、と。F.C.TOKYO BEERが現代的なジューシーヘイジーIPAであるのに対し、今回の『25th Anniversary Beer “Authentic”』は25年積み重ねてきたものの集大成としてつくりました」

品川の港湾地区にに位置する店舗。撮影:後藤勝

悠然と時間を楽しむ。撮影:後藤勝
FC東京ファンが大のビール好きであることと、スタジアムで飲むということを熟慮して考案されたのが『25th Anniversary Beer “Authentic”』だ。Jリーグでクラフトビールと言えば、湘南ベルマーレのホームゲームに出店しているサンクトガーレンがよく知られている。その際にFC東京サポーターを煽るように「何リットル飲んだ」と報告する様子によって、阿部さんは東京ファンがたくさんのビールを飲むことを認識していた。
「最初にオリジナルビールのお話をいただいた時も、アウエーで試合へ行く度にいろいろなクラフトビールを飲んでいるなと思ったら、下手なものをつくれないなと思いました。あの当時から現在までメインストリームになってきているのがヘイジーIPAですが、それに振りすぎると、ちょっと甘いし初心者の人には飲みにくいだろうな、と。その辺をうまくバランスをとって、ジューシーでヘイジーでありながらも飲みやすいものをめざしました。(サッカーファンは)基本的にはサッカーのサポートをするのがメインなので、アルコール度数も最初は6パーセント、7パーセントを考えていたんですけど、やっぱり飲んだあと試合で大声を出すわけですから、控えめのアルコールパーセントで行こうと。濃厚なやつだと、ちょっと飲み疲れちゃう」
地域密着を志向する「T.Y.HARBOR Brewery」だけに、阿部さんは同じ東京をホームとするクラブであるFC東京からのコラボレーションを光栄に思ったという。東京も東京で、本物のビールを届けることで勝敗に関係なく「あれは美味しかった」と、気持ちの上でお土産を持ち帰れるように、ピッチ外でのベストを尽くすという考えから「T.Y.HARBOR Brewery」にコラボレーションを持ちかけている。相思相愛の関係が生んだ「25th Anniversary Beer “Authentic”」がどういう味になるのかが楽しみだ。

主力商品のペールエール。撮影:後藤勝

醸造初日に採取された「25th Anniversary Beer “Authentic”」の麦汁。撮影:後藤勝
◆5年後の30周年もみんなで祝いたい
FC東京を代表して醸造の工程を見学したアマラオアンバサダーは「まず、ここにいられたことがすごく嬉しい」と感想を述べた。
「なぜならこういった場をいままで一度も見たことがなかったし、とても興味深い。我々のように飲むだけという立場の人間が知るのは、おもしろいことだと思います。多くの人が関わって、こういった醸造所の方々が一生懸命つくったものが、我々の手元に届いているんだよということを知るのは、我々にとってもビールをより美味しく感じるために大事なことですよね。それを知れたということが、もうすごく嬉しいです」

店舗の軒先にて。撮影:後藤勝

ひたすらサマになっているアマラオアンバサダー。 撮影:後藤勝
前身の東京ガスで日本でのキャリアをスタートしたアマラオアンバサダーはFC東京の立ち上げからクラブに関わり、ここまで東京と四半世紀にわたる時間の経過を共にしてきた。その25年間を表現するビールが出てきたことに、ある種の感慨を隠せないようだった。
「ぼくが来日した時(1992年)の年齢が25歳。その年で加入したFC東京がJクラブとなったのが1998年からでちょうど25年間、『T.Y.HARBOR Brewery』さんも1997年からというのは、本当に偶然なんですけど。ぼくの歴史もそうだし、多くの選手、スタッフ、そしてサポーターたちと紡いできた、みんなでつくってきた歴史に感謝しかないです。大変幸せなことだと思います。この瞬間をみんなと祝えることも嬉しいけど、また、5年後の30周年もこうしてお祝い出来ることを願っています。これからもみんなで一緒に祝いましょう」
25周年のタイミングで飲む祝いのビールは格別だろう。アマラオアンバサダーも、その瞬間を心待ちにしているようだった。
◆FC東京オリジナルナッツ『American BBQ』

パッケージはこの通り。撮影:後藤勝

複雑な味わい。撮影:後藤勝
青赤パークsupported by TOKYO GASに出店中の『T.Y.HARBOR Brewery』では、ビールのお供にFC東京オリジナルナッツ『American BBQ』も販売中だ。単体でも食感を含めておやつ的な味わいがあるが、ビールと共に食すことで異なるおいしさを味わえる。味は単調ではなく複雑で、甘味と塩味とピリ辛の加減がいい。すべて店内での手づくりで、コーティングも手作業。大量生産とは真逆の志向でつくられている。PR担当の宮本唯さんによれば、冬場から試食が始まり8月12日の京都サンガF.C.戦でようやく陽の目を見たとのことで、開発期間が長かった分、こだわりが強いようだ。
「ビールに合うことを前提にフレーバーを選択し、行き着いたのがアメリカンバーベキュー。アメリカンバーベキュー味は人気の高い味ですし、ちょっとピリ辛でスパイシーで、ビールに合う。みなさんに楽しんでいただける味だと思います」(宮本さん)
「25th Anniversary Beer “Authentic”」を購入するなら、よいお供を務められそうな逸品だ。
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