両チームの成長度合いが反映された妥当な引き分け。それぞれが無得点に終わった要因とは……【2023 J1第20節 浦和vs.FC東京 本音Column】

ピーター監督がめざすものが見えた内容だった浦和戦。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)
それでは、大変遅くなりましたがまだ書けていなかった3試合分の本音コラムを始めていきたいと思います。まずはJ1第20節浦和レッズ戦から。
FC東京側の事情としてはもちろんけが人の多発があり、それまでの離脱者に加えて森重真人がアウト。また塚川孝輝が出場停止ということで、最終ラインが右から小泉慶、木本恭生、エンリケ トレヴィザン、長友佑都となり、トップ下に東慶悟。アダイウトンも離脱中で左ウイングは引きつづき俵積田晃太と、そういうメンバーになっていました。もっとも俵積田はこの前節に当たる柏レイソル戦で初アシストを決めてよこうレギュラーメンバーにフィットするようになってきていましたし、塚川が出られないのもわかっていたことなので、問題は試合前の時点で整理されていてしっかり準備をして臨めていたと思います。

準備が出来ていた浦和戦のFC東京。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)
これに対して浦和の問題は試合が始まってから生じたのでちょっと気の毒でしたね。ルヴァンカップEグループ最終節京都サンガF.C.戦の東京がロングパスを左サイドハーフの塚川に収めようとしていたように、この日の浦和はロングパスを右サイドバックの酒井宏樹に集めようとしていたようで。その際のエンリケ トレヴィザンとの競り合いによって酒井が負傷してしまった。当初は、というか試合終了直後はどうも「東京が悪い」という空気だったらしく、私も既知の浦和側の記者にちょっと詰め寄られるみたいな事態にもなっていたのですが、あとで酒井本人が「誤解していてすまなかった」という意味の意思表示をSNSを通しておこなったことで氷解してよかったですね。この、試合開始後3分にして左肘から地面に落ちての脱臼でプレー続行不可能となったアクシデントには対戦を楽しみにしていた長友佑都も試合後に残念に思っているという意味のことを語っていましたが、見どころがひとつ失われたのは確かでしょう。酒井の負傷によって左サイドバックの荻原拓也がスクランブルで右に入るわけですが、これを含む冒頭約15分間が濃密すぎました。
◆この試合の要素が凝縮された、濃密だった15分間

好守で魅せたヤクブ スウォビィク。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)
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