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中村帆高、今キャンプでグーンとパワーアップ!「『帆高のかたち』というものをつくりたい」【リード文からコメント部分まで無料公開】

 

撮影:後藤勝


 中村帆高が今年はスタートからアルベルのチームに馴染んでいる。昨年は二次キャンプ中に序列を落とし、リーグ戦でレギュラーメンバーに食い込むまでにシーズンの半分を費やしたが、堂々とした佇まいだ。
 
 アルベルの指し示すものに慣れたということもあるのだろう。しかしそれだけではなさそうだ。今季初となるJクラブ相手の対外試合FC琉球戦を翌1月20日に控えたこの19日、彼は全体練習を終えたあとかいぎんフィールド国頭の筋トレ室にこもり、なかなか帰ろうとはしなかった。
 
 プロ選手としての自覚を高めているその背景にあるものとは。私(後藤)自ら質問した箇所の一問一答を無料で読めるよう掲載したあと、中村が意識を変えつつある理由についての考察をお届けする。
 
◆一問一答
 
──まず、遅くまで筋トレをやっていたが、そのココロは。
 
 もう、プロに入ってからけがをしていない年がなかったので。プロではけがをするのがいちばん自分の評価を下げることになるし、自分のパフォーマンスを下げることにもなってしまう。本当に「今年はけがをしたくない」「一年間戦いつづけたい」という想いがあって、そこは最大限やれることはやろうかな、と。
 
──この時期に全体練習後にフィジカルをこれだけやっているのはいままでになかったことか?
 
 そうですね。終わったあとというのはそんなになかったですね。
 
──これを継続していったら相当けがをしない身体になりそうだという手応えはあるか?
 
 今年はオフシーズンのトレーニングもトレーナーの方と細かくやって筋力強化を重点的にやってきました。そういう意味では、いまの身体の状態としては順調に出来上がってきていると思いますし、まだまだ練習試合もあるので、そういうところで確かめていきながら、より付け加えるべきものがあれば付け加えたり、やっていければいいかなと思います。
 
──最初の練習試合をやった時点でゲームに対して戸惑いがないように見えたが?
 
 今年は監督的にもサイドバックにより攻撃的になってほしいというところがあって、ぼく個人としても得点なりアシストにどんどん絡んでいきたいという想いがある。そういう意味から考えたときに、ポケットというんですけど、あそこを誰がどうとりに行くか、そこは意識しながらやっていて。いまは相手が相手(やや実力差のある大学生チームと2試合)なので、かたちを確かめたり立ち位置を確かめたりというには絶好の相手。
 最初だから、質というよりは量をどんどんやって身体に染み込ませていって「これはちょっとちがうな」となったら、ちょっと変えたり、と。タイミングがいろいろあるので、そこは量をやって覚えさせていくみたいな、トライ&エラーというかたちでやっていました。
 
──昨年、安間ヘッドコーチを取材したときに「帆高は技術系の練習をやったほうがいい。これをつづけて時間が経てば変わってくる」という意味のことを言っていたが、実際に練習を反復してきて、重ねた努力は嘘をつかないということを実感しているか?
 
 そうですね。
 去年の後期から安間さんと若手の何人かでやっているやつがあったりして、それを重ねるごとに、極端に足もとが巧くなるとかボール扱いやパスが巧くなるとかそういうことはないんですけど、感覚的に見えるところがちょっと増えたりとかちょっと足もとが空いたときの余裕だとか、そういうものは日々の積み重ね。それがあるから落ち着けた部分もあるし、見えた部分も去年はあったので、今年も継続してやっていくつもりですし、確実に実にはなっているかなと思います。
 
──今日の練習では得意のクロスをファーで熊田選手が決めてくれる場面があったが、感触はどうか。
 
 いやもう(笑)。でも本当、今年はポケットをとりに行ってのクロスもそうだし、自分が外に行って開いたときは帆高に入れば絶対にクロスが来る、コーナーキックがとれるという、そのくらいの信頼を勝ち取らないといけないと思っています。自分ももう一個上に行くためには、自分のかたちをつくりたい。(長友)佑都さんもいいところに持ち出してクロスを上げたりというところを見せていますけど、そういう『帆高のかたち』というものはつくりたいと思っていて。クロスの質の面はそのあとになるんですけど、まずは量を上げていかないといけない。そういう意味では今年はディエゴもそうだしアダイウトンもそうだしおもしろい熊田とかもいて、ボールを上げれば絶対にみんな決めてくれる。そこはやっぱりサイドバック、ぼくだけじゃなくてみんなが意識してやっていかないといけないかなと思います。
 
◆自覚を促す要素は年齢にも
 

撮影:後藤勝

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