蓮川壮大、スクランブル出場、のち涙。彼ら若い世代の戦いも、創立23年目のFC東京もこれからだ【J1第12節「FC東京vs.横浜F・マリノス」観戦記】

リモートマッチとなった味の素スタジアムの横浜F・マリノス戦。
今シーズンの試合後レポートとしてお届けする「観戦記」。今回は5月1日、味の素スタジアムでリモートマッチとして開催されたJ1第12節、横浜F・マリノス戦について、いつもとはやり方を変えて蓮川壮大を中心に、彼と長谷川健太監督のコメントをもとに書いていきます。
ルヴァンカップグループステージ第3節大分トリニータ戦で気迫のディフェンスを見せて3連勝に貢献した蓮川。直後のサガン鳥栖戦でのメンバー入りはかないませんでしたが、第4節徳島ヴォルティス戦で大胆な攻撃参加やパスの代わりにいいところまでボールを運ぶ組み立てなどで、さらに強烈なアピール、リーグ戦の今節マリノス戦でついにベンチ入りを果たしました。そして彼と同じくサイドバックのトレーニングに励み右でポジションを掴んでいた先発の内田宅哉が、開始直後1分も経たないうちに負傷。急遽、途中出場ながら90分間以上を戦うことになりました。これはもう、味スタが蓮川壮大を呼んでいたとしか思えません。
中村帆高の負傷に寄る長期離脱を受けて、攻撃的なポジションからコンバートした内田までもがけがでピッチをあとにしたわけですから、泣きっ面に蜂といっていい状況です。でも代わりに蓮川がいる。残された希望と言っていいでしょう。
前半はマッチアップするマリノスの左ウイング、前田大然と並走し、身体能力の高さを見せましたが、後半は本人が言うように少しずつ脚が止まり、相手についていくのがやっとという場面も出てきます。後半16分には自分が上がった後方のスペースを味方が見ていない状況で急いで戻りましたが間に合わずに失点。トータル0-3で敗れました。
アカデミーから自分を育てた、自分が愛するクラブである東京のトップチームを勝たせたい、東京のためにプレーするのだ、そういう熱い想いは十二分に伝わってきました。現状の持てる力はすべて出し尽くしたでしょう。それでもチームを危機から救うことは出来なかった。試合終了後、森重真人に引っ張られるまで涙が溢れて顔を上げられなかった蓮川を、敗れたからといって責められるか。私には出来ません。
(残り 2257文字/全文: 3231文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ