終了間際に失点……敵地で完敗。「終始後手を踏むような出来の悪いゲームだった」と、松橋力蔵監督【2025 J1第6節vs.アビスパ福岡 Report/無料公開】
3月15日、FC東京はベスト電器スタジアムでJ1第6節に臨み、アビスパ福岡と対戦。1-0のスコアで敗れた。公式記録のシュート数15対3という数字が示すように、福岡に圧倒され、松橋力蔵監督も「ゲーム内容も終始後手を踏むような出来の悪いゲームだったという風に思っています」と述べて完敗を認めざるをえなかった。
◆1対1の強さを
エンリケ トレヴィィザンの起用意図とともに、特に後半35分以降、福岡に攻め込まれていたように見えたが──と訊ねると、松橋監督は次のように答えた。
「後半35分以降だけでなく、しっかりボールを握られたなかでの展開であったので、そこはまず一人ひとりの個人戦術、ただ下がって守るだけではなく、寄せるところはしっかり寄せる、それはもうオーガナイズというような構成をつくり上げることが大前提ではなくて、一人ひとりのところでもう少し1対1にいいパフォーマンスを発揮するということが大事だったと思いますし、その形が出なくなってきた時の自分たちのプレスの形というのも、少し修正は加えたものの、やはりそこら辺の発揮がなかなか出来なかった。そこは本当にシステムというか、並びを思い切って変える必要性もあったのかなという風には思っていますが、そこからでしたね。エンリケ選手の起用に関しては、本来センターを担う選手ではあると思うんですけれども、ひとつは彼がレフティでシンプルにボールを受けた時にタテの長いボールをうまく入れられる可能性も高いというところと。本当にワンチャンス、ツーチャンスかわかりませんが、セットプレーの強さもあるので、最後にそういうところで決めるタイミングが来た時には彼の力も発揮出来るだろうということでの起用です」
ここまでの東京は松橋監督が言うように、守備組織をオーガナイズし、そのやり方で相手を抑え込んできたが、その機能性だけでなく、局面、球際の強さも必要であるという課題が浮かび上がったということだろう。エンリケに関しては、やはり攻撃面で画を変える意図があっての起用だったようだが、後半アディショナルタイムにかけて増してくる福岡の勢いに抗うことは出来ず、最後に東京が相手陣内に攻め込んだあとのカウンターからの流れで、ほぼ試合終了間際のプレーから福岡に決勝点を許してしまった。0-0には出来たはずの試合を落とす展開であったことが、この敗戦の陰影をより強いものにしている。
この試合のあと日本代表活動に赴く長友佑都は「やるべきことはたくさんあるので、もうそれらを一つひとつ詰めていくしかないですね。結果をしっかり受け止めて。ただ、諦めたら終わりなんでね、しっかりと日々の練習からまた詰めていきたいと思います」と謙虚に言い、福岡を後にした。インターナショナルマッチウイークに東京が臨む試合はルヴァンカップ1試合。その前後のトレーニングで現状ある課題に向き合い、より本質的な強さを求めていきたい。
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