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ケンタ流堅守東京、攻撃型のアンジマリノスを締め上げる完封勝利。開幕戦に向け準備完了【プレシーズンマッチ】

○マッチレポート

2月17日、FC東京は味の素スタジアムに横浜F・マリノスを迎えてプレシーズンマッチを開催。前半5分に前田遼一が挙げたゴールを守りきって1-0のスコアで試合を終え、危なげのない完封勝利を収めた。得点は、横浜ゴールキーパー飯倉大樹のクリアを拾った前田が、その飯倉が前に出て無人となった横浜のゴールに長い距離のシュートを決めて先制したもの。シュート数は7と多くはなかったが、守備を基調とした戦いぶりには安定感が漂っていた。

相性のよさも試合の行方に影響した。高い位置からボールを奪い積極的に攻めようとする横浜は、自陣を堅く締める東京にとってある意味、恰好の餌食。横浜にウラをとられても東京のディフェンス陣はすぐに対応して危険なシュートを撃たせず、ペナルティボックス内に入り込まれてもフィニッシュのアクションを実行される前にディフェンダーが足許でボールを奪い、最終的にはシュートをブロックまたはストップしてピンチを未然に防いでいた。
元ブリスベン・ロア、元オーストラリア代表のアンジェ ポステコグルー監督が採用する、アンカーから前が扇型に拡がる4-3-3は、本来相手選手のあいだにパス、スルーパスを通しやすいフォーメーションだが、東京はサイドが中に絞り、前がプレスバック、密な状態にしてパスコースを塞ぎ、横浜攻撃陣が使おうとするスペースを“窒息”させてしまうため、横浜は彼らが狙う決定的なスルーパスを供給することができなかった。

長谷川健太監督や前田、大森晃太郎が言うように、ボールを奪ったその先に課題がある。しかしオーソドックスなサッカーのなかで選手が果すべき役割を果たし、高い強度のプレーをつづけ、守備をベースに試合をコントロールした堂々たる戦いぶりにはキャンプで培ってきた自信がうかがえた。J1開幕に向けて狼煙を上げた東京は、堅牢な守備の罠に浦和レッズを陥れるべく、着々と準備を進めている。

○監督、選手のコメントに浮かぶチームの完成度

長谷川健太監督が掲げる、隙をつくらない、絞る、寄せていくサッカーはどうだったか、中を締めることができたか? そう訊ねると、大森晃太郎は頷いた。
「そうですね、意識はしていて。前半はてこずる場面があったんですけど、そこを試合中、みんなで声をかけながら修正できたことは非常によかったと思います」

この、試合開始から前半の途中までは横浜F・マリノスに苦労させられたという点については、長谷川監督が試合後の共同記者会見で詳しく述べていた。
「バルセロナのようにサイドバックが中に入り、ビルドアップをして、中町(公祐)が高い位置をとる。掴まえづらいポジションをとられたので慣れるまではだいぶウチの選手も苦労したと思います。左サイドはハマっていましたが、

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