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【有料記事/プレミア最終節第5報】鈴木喜丈と岡崎慎、J3とユースの往復で学んだ一年(2016/12/13)

涙の鈴木喜丈に、来シーズンの主力となるだろう二年生の岡庭愁人が寄り添った。

涙の鈴木喜丈に、来シーズンの主力となるだろう二年生の岡庭愁人が寄り添った。

青森山田高校に敗れたあとの挨拶で、人目をはばからず号泣したのは鈴木喜丈だった。
「けっこう、負けたら泣くほうなので」
最後の最後で敗れ、よけいに悔しさが募った。
「一年間を通してやってきて、自分たちがいないなかでJユース(カップ)に優勝したりして結果を残していたチームなので、岡崎選手や自分が戻ってきたときに勝利を挙げられないことに責任を感じました」
夏の日本クラブユース選手権ではFC東京U-18の試合に出る機会もあったが、2種登録選手としてJ3リーグに先発出場する機会が多く、実質的にはFC東京U-23で野澤英之とボランチを組むレギュラーだった。岡崎慎も同様にセンターバックでU-23のレギュラー。ユースに戻ってきたときには、プロのカテゴリーでやってきたなりの質を見せ、責任を果たすべき立場だっただけに、勝利に貢献できなかったことは痛恨の極みだ。

高円宮杯プレミアリーグEAST最終節は前半に苦戦、後半に盛り返しながら失点という試合展開で、相手のほうが一枚上だと痛感させられた。
「前半は自分の持ち味、自分のプレーが出せなくて、チームの調子もよくなく、五分五分の試合だったんですけど、後半は試合に絡めるようになって、1点獲れるか獲れないかというところで、(青森)山田さんに点を獲られたというのは、やっぱり実力の差かなと思います」

鈴木は攻撃にこだわりがある。現代の中盤は守備も攻撃も両方できないといけないという観点からは正しい基準の持ち方なのかもしれないが、高い水準で守備をこなしながら攻撃にも力を割くことはそうかんたんではない。この試合単独でも、一年間を通しても、それは難しかった。課題として、プロ選手になる来年に持ち越しである。とはいえ、あくまでも育成過程であると考えればすべてはいい経験になっただろうし、成長の糧にできるのであれば、自覚している課題はプロ一年めに臨むに際して有用だろう。
「ボールを獲る部分はJ3に行って意識していたことでもあるんですけど、自分としては攻撃面で質を出せるような選手になりたいと思っていたので、そういうことを試合全体を通じてできなかったことに悔しさをおぼえます。
攻撃がいまいちなところは改善できるようにがんばります。正直に言えば守備に比重を置くと攻撃が薄れるということもあるんですけれども、

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