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【無料記事/J1第14節第1報】「ガス欠になってもかまわない」全力で走る前田遼一、中山雅史のJ1最多ヘディング得点記録にならぶ(2016/05/29)

【J1第14節】FC東京はリーグ戦の勝敗を5勝2分5敗とし、勝点を17に伸ばした。決勝ゴールをマークした前田遼一に「チームの星はようやく五分に戻ったのですけれども、リスタートという意味では、ようやくここから始まるのでは?」と訊ねると、実感を込めて次のように答えられた。
「いやもう、ほんとうですね。ここから連勝をつづけていけるように、がんばります」
一カ月間ゴールがなかった自分自身を振り返っても「フォワードはゴールが獲れないとだめ。獲れてよかった」と、ほっとする一撃だった。

試合のなかでも山あり谷ありだった。前田がペナルティボックスに進入すると、5人、6人と、ガンバ大阪の選手が襲いかかる。1トップは多勢に無勢だ。それでも、がまんしていればいつかはゴールが来ると信じて進入をつづけた。
「そうですね、得点以外にもけっこうチャンスはあったのですけれども、そういうところで決められていなかった。でも、またチャンスが来る、という気持ちはありました」

これだけ献身的なフォワードがいるだろうか。前線守備、競り合い、キープ、チャンスメーク、ペナへの突進、ターゲット……倒れても倒れても、文句ひとつ言わずに立ち上がり、すぐにプレーを再開する。ルーカスが鉄人になって帰ってきたかのようなハードワーカー。運動量の多い中盤やサイドが交替しても、前田はフルに働く。
「90分間保たせるというイメージはないですね。ベンチには、ぼくのポジションであったら(平山)相太とか、いっぱいいい選手がいるので、最初から飛ばします。いつガス欠になってもいいくらいの気持ちでやっています」

1トップでときに孤独な戦いを強いられ、チャンスを逃す。やむをえないとは思わず、責任を感じ、悔しさとなる。上海上港とのACLラウンド16セカンドレグでも、一度あった決定的な場面で撃ちきれなかった。その悔しさが、味スタで爆発した。
「あっちでぼく自身決めるチャンスがあったのに、決められなくて、ああいうかたちで負けて帰ってきてしまった。悔しい気持ちしか残っていなかったので、きょうはそれが晴らせてよかったと思います」
J1最多ヘディングゴール数で中山雅史にならんだことを知らされると「どんなかたちであれ、中山さんにならぶのはうれしい」と笑顔を見せた前田。ジュビロ磐田への郷愁がないわけではないだろう。それでも究極のハードワーカーは、得点以外の重い仕事をこなしつつ、青赤に染まるべくゴールを狙いつづける。

 

 

 

 

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