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【第7報】レポート◆明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第9節 FC東京対川崎フロンターレ/仕留められなかった川崎とブレなかった東京(2015/05/03)

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レポート◆明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第9節 FC東京対川崎フロンターレ/仕留められなかった川崎とブレなかった東京

日程のいたずらか、ゴールデンウイークまっただなかの5月2日、埼玉では1位浦和レッズと2位ガンバ大阪、味の素では3位FC東京と5位川崎フロンターレ、優勝戦線への生き残りをかけた上位チーム同士の直接対決がおこなわれた。
東京と川崎のリーグでの対戦は多摩川クラシコと特別に称されるダービーマッチでもある。双方に二年連続得点王がいて、日本代表もいる。大久保嘉人のJ1通算140得点達成がかかっており、達成された暁にはカズダンスを踊ると予告されていた。
いくらでも付加価値のつく試合。しかし東京は純粋に眼前の試合に集中していた。

試合後の権田修一はこう語っている。
「次の試合に勝つことしか考えていない。結果を残しつづけることが、上位にいつづけるということです。先々を見るのではなく次の試合だけを考えてやりたい」
今シーズン、この言葉を東京の選手たちは口癖のように、何度でも繰り返してきた。それは根本的な行動原理として浸透してきている。

対する川崎は4月29日、ホーム等々力陸上競技場で1-0から1-4という衝撃的な逆転負けを喫したばかり。選手同士のミーティングもおこない切り換えをはかったが、はたして立て直すことができたのだろうか。大敗時の先発からはふたりが入れ替わった。角田誠から井川祐輔。武岡優斗から船山貴之。攻撃陣では船山が大久保嘉人とコンビを組む。フレッシュな勢いを期待したのか。
いっぽうの東京も、林容平がJ1初先発。FC東京でのリーグ戦初先発でもある。双方の監督は、大一番だからと過去の実績を視るのではなく、現在の勢いを買ってメンバーを組んできた。

16時4分にキックオフ。
先手をとりつづけたのは川崎だった。本来であれば、東京は前からプレッシャーをかけていきたいはず。しかし川崎のボール保持者に対して東京の選手たちはプレッシャーをかけにいけない。中盤の底の中村憲剛と大島僚太に接近すれば鼻先でかわされることが予測されたからだ。そして川崎のフォワードにボールが入っても、喰いつきはしなかった。東京は2対1の数的優位をつくりながら後退、後方のスペースを消しながらリスクの低いディフェンスを心がける。現代サッカーのイメージからすると古典的な対処だが、いくつか携えていったプランのうちのひとつで対応せざるをえなかったらしい。

「せざるをえなかった」のはセットプレーも同じで、失点した前半21分と同様の危険なシーンを、川崎はあと二回つくり出していた。

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