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【マッチレポート】レポート/リザルト◆J1第12節東京対大宮、無念の三連敗。「判断を迷った自分のミス」(森重)/森重真人、武藤嘉紀、権田修一[2,939文字] (2014/05/06)

レポート/リザルト◆J1第12節東京対大宮、無念の三連敗。「判断を迷った自分のミス」(森重)

ゴールデンウイーク最終日の5月6日、全国各地でJリーグ ディビジョン1 第12節が開催され、セットプレーの失点による敗戦がつづいているFC東京はホーム味の素スタジアムに、元東京監督の大熊清氏率いる大宮アルディージャを迎え撃った。
試合は0-0で迎えた後半のアディショナルタイム、ゴールキーパー江角浩司のパントキックに合わせ、一瞬の間隙を衝いて飛び出した大宮の長谷川悠がボールに触るように蹴り、ボールはコロコロと左隅にゴールイン。これが決勝点となり、大宮が0-1で勝利した。
先発のズラタンが負傷したため急遽16分から途中出場した長谷川が大宮を七試合勝ちなしの泥沼から脱出させた。
いっぽう、東京は三連敗。勝ち点14で足踏み、上位の背中が遠くなっていく。

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大宮は大熊清元FC東京監督が率い、昨年まで東京に在籍していた中村北斗が左ウイングバック(サイドバック)で先発出場。中村は試合後、河野広貴とユニフォームを交換し、FC東京ゴール裏へと挨拶に向かった。ブーイングが起きている状況を見てタイミングをはかり、東京の選手がはけていくと入れ替わりにゴール裏へと向かった。
大熊監督は「いまは自分に余裕がない」と語るにとどまったが、中村は次のようにモチベーションの高さを振り返った。
「東京でやっているときよりプレッシャーがなかったですね。ホームだったらプレッシャーを感じていいプレーをしないと、と思っていたので。きょうはやってやろう、見返してやろうという感じの気持ちが強かった」
ユニフォーム交換をしたなかよしの河野広貴について水を向けると、
「きょうも右足じゃなかったら入っていたでしょう、あいつ(河野広貴)。右足でよかったですよ」

この河野広貴をセカンドハーフに投入した東京の攻勢、メンバー変更は当たってはいた。
記者会見後、大熊監督に「最近のチーム事情でフォーメーションがこうなっているとは思うが、東京対策にはなったか」と訊ねると、次のように答えられた。
「前半の守備はほぼやりたいことの完璧に近かった。守備は。うしろのシフトなり、前へ出る積極性は。ただ相手がスクランブル、トップ下に河野を入れて自由に動かれたときに片岡(洋介)なりがサイドのメロ(今井智基)を前に押し出せなくなると、後半のようになると。出てくる選手が強烈なんでね、どんどん名前で引っ張られちゃう(苦笑)」

この日の大宮は3バックというよりほぼ5バックでうしろに引き、背後のスペースを消すディフェンスを志向していた。
「いつも以上にラインが低かった。自分が思っている感じの5バックのイメージ。きょうはラインを高くしてウラをやられる感じが少なかった」(中村北斗)

そして、そこからボールを運び、前に出て、よくファイトしていた。
鹿島アントラーズ、モンテディオ山形、蔚山現代でたくましく鍛えられた男、増田誓志は、きっぱりと言う。
「ほかの選手と比べて自分が出場できている理由はなんだろうと考えたときに、守備をしながらも出て行く体力が求められている。それをやらなければほかの選手のほうがいい、となる」

大熊監督から聞き出した家長昭博評は「あんなに守備とか、おれの(U-)18(日本代表)のときはありませんでしたよ」。大熊イズムの「本質」が少しずつ大宮の選手たちを磨いていた。

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