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5得点すべてヘディングの豪快な打撃戦を締めたのはミスター国立の平山!二戦連続の「OH砲」で浦和を下す!「引き分けでは許されない空気があった」(平山相太)【マッチレビュー/リザルト】2013 Jリーグディビジョン1 第25節 FC東京対浦和レッズ_第1報(09/14)[4,388文字](2013/09/14)

◯マッチレビュー

「練習のときから口酸っぱく迫力が大事だと監督に言われていた」(平山相太)
そのとおり、右斜め後方からのフリーキックに、プロレス技のトペ・スイシーダまたはドラゴンロケットのごとく豪快に飛び込んできた平山相太の一撃が勝負を決めた。J1第23節の対サガン鳥栖戦、天皇杯の対横河武蔵野FC戦につづくヘディングでのゴール。思えば鳥栖との戦いも舞台は国立競技場だった。国立男の面目躍如である。
弾を決めたのが平山なら、トリガーを弾いたのは太田宏介だ。
──このコンビの精度の高さは、後半になるといつも発揮されている。
太田「急に生まれましたね。ほんとう、ターゲットになるから。やりやすいです。外にいる、上げる選手からしたら」
スーパーサブというと自分でつっかけていくタイプか、脚やからだでの決定力の高いワンタッチゴーラーが想起されるが、平山はそのどちらでもないストロングヘッダーとしての資質を存分に活かしている。もちろんクサビのボールをどんどん吸い込む力もあるが、高い打点のヘディングシュートで身長と強さを活かしているところに特徴がある。それもこれも、精度の高いクロスを上げられるサイドバックがいるからだろう。

もともと太田は以前から「ターゲットが欲しい」と言っていた。1トップで中央に顔を出す選手が少ないこともあり攻撃に厚みが出なかったが、190cmもある平山が入れば一気にクロスを上げやすくなる。
平山は対鳥栖戦の試合後「上げるときにここに上げてほしいとわかるように動くのが大事かなと思います。きょうも何本か、自分が動き出せなかったり、そういうときもあったので。上げるときに何本も動き出せるようにしたいです」と言っていた。また「やっとスタートラインに立ったと思います。継続していくことがいちばん大切。次にまたゴールやアシストをめざしてやりたいです」とも。その心がけが天皇杯で、あるいは二週間半後の、同じ国立競技場の試合で、さっそく活きた。

これはもはや偶然で片付けられるものではない。
とあるJ2クラブの監督は「あのクロスはウチにはないな……」と対鳥栖戦での太田→平山の【OH砲】ゴールを羨んでいたという。そこまでの戦術やチーム力に関係なくホットラインの個々の力で得点できるこのパターンは非常に強力だ。

平山はこの要因のひとつに字義通りの「好調」を挙げた。
「コンディションも大事だと思います。そういったところで出場時間が短かったりしても、練習していくなかで自分がトップコンディションを出せるようにすることが大事かなと思います」
一試合ごとのコンディションだけでなく、基本となるコンディションも非常によい状態にあるのではと問うと、次のように答えられた。

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