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猛暑の多摩川クラシコを太田宏介のFKで引き分けに持ち込む【ショートレビュー/マッチレポート】2013 Jリーグディビジョン1 第20節 川崎フロンターレ対FC東京_第1報(08/10)[4,192文字](2013/08/11)

◆ショートレビュー

クラブのプライドをかけた多摩川クラシコでの引き分けをこき下ろそうと思えばできなくはないが、いくぶん涼しくなったハーフタイムの計測でも気温33.3℃という酷暑での優れたパフォーマンスを見れば、なかなか叩きにくいというのが正直なところだ。今後の成長のためには反省しなければいけない場面もあるにせよ、むしろよくやったと言いたい。もともと川崎フロンターレと戦えば撃ち合いになることが常だった。連続無失点が途絶えるのも仕方がないと言えば仕方がない。ランコ ポポヴィッチ監督が言うように、ビハインドになる度に追いついた反発力は評価すべきだろう。

 
それにしても川崎がすばらしかった。前回の対戦のときとは異なり、自分たちがめざすサッカーを表現できるようになっていた。大久保嘉人、レナト、アラン ピニェイロ、中村憲剛だけでなく、ボランチもサイドバックもすばらしく、2得点はいずても有機的で流動的な崩しから決めたもの。1失点めは東京が完全に後手にまわった。2失点めも思うように廻されてサイドを突破されたが、至近距離のシュートに対して権田修一が意地の超反応セーブを見せて抵抗した。弾いたボールがポストに当たって中村へのプレゼントパスになると予想するのは難しかっただろう。

 

ただ失点の場面を除けば東京はよくやっていた。ファーストハーフの前半は高橋秀人が最終ラインまで下がってきてうしろを重たくすることで川崎の攻撃を水際で防いでいた。代償として奪ったあと前線へ出したボールに絡める人数が少なくなっていたが、前半は守備を重視してプレーしようという意図があり、人数が少ないながらもチャンスをつくっていたのだから、悪いプレーではなかった。直近の二試合で見せた「じっくり守る」戦い方ができていた。ラインを上げるのが遅いときには権田からコーチングがあった。

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