「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第62回 前途は洋々として ~東京ヴェルディユース 2022~(22.12.7)

10番を背負った新鉄兵(3年)。優れた技術で攻撃を牽引した。

10番を背負った新鉄兵。優れた技術で攻撃を牽引した。

岩崎壮真(3年)はいい左足を持ってるなあ。

岩崎壮真はいい左足を持ってるなあ。

キャプテンを務めた佐藤陽輝(3年)。落ち着き払い、巧みにボールを動かせる。

キャプテンを務めた佐藤陽輝(3年)。落ち着き払い、巧みにボールを動かせる。

10番を背負った新鉄兵は、東京Vユースでの3年間を振り返って言う。

「どうしてもトップに上がりたいと全力でやってきましたが、実力が足りなかったです。フィジカルもメンタルの強さも。練習でトップのなかに入ったとき、自分のレベルが達していないことを思い知らされました」

新は攻撃の仕事をオールラウンドにこなせる印象だが、今後、特にどの部分に磨きをかけていきたいのか。

「井出遥也くんや(石浦)大雅くんは本当に巧くて、プレーの質が高くアイデアも豊富でした。大学ではフィジカルから技術面まで全部伸ばす必要があると感じています。小さな頃から決定的な武器になるものを求めていて、それを見つけて身につける4年間にしたいです」

高精度のキックを持つレフティ、岩崎壮真はこう話した。

「1、2年の時期は苦しくて自信を失いかけましたが、3年になって持ち直した感じです。中後さんからは守備の重要性や戦うことを要求され、自分のなかにある“ヴェルディのサッカー”と嚙み合わず、なかなか消化できない時期がありましたね。いまとなっては、なぜああいった指摘を多く受けていたのかよくわかります。大学ではまったく違うスタイルのサッカーに取り組むことになり、そこで守備の強度やタフさを身につけ、もっと自分の特長を生かせる選手になっていきたいです」

キャプテンを務めた佐藤陽輝は言う。

「ユースで1、2年から活躍するくらいの選手でなければトップに昇格するのは難しい。自分はそうなれなかったので、納得して受け止めています。トップの練習に呼ばれたときはうれしかったですね。もしかしたら上がれる可能性があるのかなと。ただ、実際に同じピッチでプレーしてみるとプロはスピード感やフィジカルの強さが段違いで、自分はまだまだだと痛感しました。将来的には日本代表の遠藤航選手と田中碧選手の長所をミックスしたようなプレーヤーが理想です。いまのトップの選手では(馬場)晴也くんが一番イメージに近いと思います」

高校生活、コロナのド真ん中を生きた世代だ。言葉にするのも空しくなる苦労は山ほどあっただろう。大学でのキャンパスライフを満喫し、少しくらいはうつつを抜かしてもバチは当たるまい。

それぞれの道に歩みを進め、またどこかで会える日を楽しみにしている。

 

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