【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第47回 18人いる ~東京ヴェルディユース 2019 小春~(19.12.21)
第47回 18人いる ~東京ヴェルディユース 2019 小春~
試合前、ベンチ前に選手たちが整列した際、キャプテンの石川拓磨(3年)に「集合写真、お願いしますね」と声をかけた。
レフェリーの合図でピッチの中央に出ていき、前と後ろに一礼。審判団、対戦相手と握手を交わしたあと、ベンチ前に戻ってくるいつもの流れだ。
ぱぱっと集合写真を撮影し、その場を去ろうとしたところ、実質的にチームを取り仕切る中後雅喜コーチが「ほら、おまえらも」とベンチの3年生にいけと促す。
ん、聞いてないぞ。それは選手側も同じだったらしく、急にバタバタしてビブスを脱ぎ、ユニフォームに着替えだした。
そうして居並ぶ面々。明らかに数が多い。
「彼らにとってはヴェルディで最後のゲームだったので、写真に入れてあげたかった。すみませんでした」
と、中後コーチ。現役時代はクールな印象で、こういったわかりやすい情を表に出す人ではなかったけどなあ、と可笑しかった。選手は読んで字のごとく選ばれるもの。だとすれば、指導者は自ら成るものということか。
他の媒体では使えないが、SBGではむしろ歓迎である。今年、自分が撮ったなかでお気に入りの一枚になった。
12月8日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2019 関東の最終節、東京ヴェルディユース vs 桐生第一高校(ヴェルディグラウンド)。やわらかな日差しが注ぐ、小春日和である。
降格の可能性がある東京Vユースは、来季の昇格が内定している藤田譲瑠チマ(3年)、石浦大雅(3年)に加え、すでにトップで主軸となっている山本理仁(3年)が45番を付けて先発出場した。