「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第62回 前途は洋々として ~東京ヴェルディユース 2022~(22.12.7)

東京Vユースを率いて3シーズン目を終えた中後雅喜監督。自身も大学を経由してプロの世界に入った。

東京Vユースを率いて3シーズン目を終えた中後雅喜監督。自身も大学を経由してプロの世界に入った。

2020年から東京Vユースを率いる中後雅喜監督は、今季を振り返ってこう語る。

「選手たちは1年を通して成長してくれました。ただ、最終的な結果は3位に終わり、もうひとつ上にチームを持っていけなかったのは指導者である自分自身の課題と捉えています」

東京Vは日本屈指の育成組織を売りとし、毎年、アカデミーからトップに優秀な選手を供給してきたが、来季のトップ昇格者はゼロとなった。これは2005年以来、18年ぶりの出来事である。

「全員、大学に進学予定です。そこでどれだけ成長できるか。自分を厳しく追い込み、変わっていけるか、ですね。4年間でプレーの面だけではなく、人間的にも大きくなってもらいたい」

若かりし日の中後監督は、ジェフユナイテッド市原ユースではトップ昇格を見送られ、駒澤大学に進学。大学NO.1ボランチと目されるほど評価を高め、鹿島アントラーズに加入した経歴の持ち主だ。大学サッカーの価値は身をもって知っている。

「これから彼らが向かうのは、誰も自分のことを知らない場所。そこで、イチから評価を積み上げていくことになります。ずっとここで育ってきた選手は、よくも悪くも周りから知られていて安心感はあるでしょうけれど、成長においては必ずしもいいことばかりではないはずです。新しい世界では、サッカー選手として生きていくうえで気づかせてくれる人との出会いに多く恵まれます。そうした交流を経て、自分自身と向き合っていくことになるでしょう。心身両面、ひと回り大きくなって、またヴェルディに帰ってきてほしい。そう願う一方、4年後には見違えるほどいい選手になって、『いや、ほかのチームからも声がかかっていて。ちょっと考えさせてもらっていいですか?』と、自分たちを袖にするぐらいの気持ちでやってほしいです」

そう言って、中後監督は笑った。

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