「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】検証ルポ『2022シーズン 緑の轍』第五章  マテウス「僕が前を向き続けられたのは彼のおかげだ」(22.12.8)

マテウスと岩打弦大通訳は二人三脚でシーズンを戦い抜いた。

マテウスと岩打弦大通訳は二人三脚でシーズンを戦い抜いた。

第五章 マテウス「僕が前を向き続けられたのは彼のおかげだ」

■マテウスの真骨頂

誰がどう見ても完全に失点を覚悟したシーンだった。

レアンドロ・ダミアンのプレッシングを受け、ンドカ・ボニフェイスがボールロスト。ゴール前でフリーとなっていたマルシーニョにパスが通る。

その瞬間、マテウスの判断と立ち位置の取り方が絶妙だった。ワンタッチでのループシュートを警戒して数歩下がり、マルシーニョがボールを持ち出したのを見て、即座に前へと飛び出す。両手、両足を大きく広げて面をつくり、シュートを身体に当てた。

6月22日の天皇杯3回戦、川崎フロンターレ戦(1‐0○)。36分、ゲームの流れを左右するビッグセーブだ。仮にここでゴールを割られていれば、決勝点となった39分の佐藤凌我の弾丸ミドルもおそらくはなく、川崎の攻撃力に打ち負かされていても不思議はなかった。

東京ヴェルディを救ったマテウスのプレーを、ピッチの外から特別な思いで見つめている人物がいる。ポルトガル語の通訳を務め、ピッチ内外で最も長い時間接してきた岩打弦大である。

(残り 1912文字/全文: 2459文字)

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