「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】検証ルポ『2019シーズン 緑の轍』第三章 キャプテングループ(19.12.24)

今季、近藤直也は新加入ながらキャプテンを務め、苦労の多いシーズンとなった。この写真はアーミー感が強く出すぎている。

今季、近藤直也は新加入ながらキャプテンを務め、苦労の多いシーズンとなった。この写真はアーミー感が強く出すぎている。

第三章 キャプテングループ

■ギャリー・ホワイト監督の描く理想形

4月に入り、東京ヴェルディに遅い春が到来する。

4月13日、J2第9節のFC琉球戦と、28日、第11節のファジアーノ岡山戦。ともに1‐1のドローだったが、好転の兆しが見えたゲームとして記憶される。

[4‐1‐4‐1]の布陣に変更し、井上潮音、佐藤優平、渡辺皓太(横浜F・マリノス)で構成する中盤のトライアングルが機能。前から強い圧力を加えていくやり方がチームに勢いをもたらした。

チーム編成で偏りのあった、中盤の豊富な手駒を最大限活用する理にかなった形だ。このサッカーなら戦える。どうにか見通しを立てられそうだと、つかの間の安堵感を覚えた。

とりわけ、岡山戦の端戸仁のパフォーマンス、奈良輪雄太のゴールシーンはすばらしかった。ボックスに5人が侵入し、最後はサイドバックの攻撃参加で仕留める。果敢にリスクを背負って、攻め切るサッカー。ギャリー・ホワイト監督の思い描く理想形のひとつを見た気がした。

開幕前から感じていた、取り立てて先進性のない、ジェネリックフットボールの印象は変わらない。が、残留ラインすれすれの順位に位置し、まずは降格回避が最優先事項である。名より実を取り、勝点を稼いでいかなければならなかった。

5月5日、第12節のV・ファーレン長崎戦から東京Vは3連勝をマークし、10位まで浮上する。これが今季における最高到達点となった。

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