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和田拓也「味方がボールを持ってるときに、ほかの選手がサポートしてあげるという当たり前のことをいかにやり続けられるか」……4/11 練習後コメント

 

■和田 拓也

──この2日間のトレーニングで、ボランチとシャドーのつながりが強調されていた印象ですが?

「つなぐところは今週かなり、ミーティングでも言っていたし、コーチングでも言っていると思いますね。それはちょっとした意識のところですけど、今継続しているところを壊しすぎないように、上手く、『中長期的に』という言い方をされていましたけど、ポゼッションの時間をもう少し増やしたいという意識を感じました」

 

──そこは和田選手としても課題に感じているところですか?

「いや、先々週にも言いましたけど、ゲームをコントロールする上でボールを握るのも一つの手段だし、神戸みたいなやり方であっても個性があれば、ポゼッション率的には低いけど主導権を持ってゲームをコントロールしていることには変わりはないので、そういう手段でもいい。そこでウチのチームは、もう少しボールを持つ時間を長くしないとシーズンを戦う上で不確定要素が大きくなるというか、勝点3の再現性が低くなると思う。ポゼッションをするというより、俺は『受ける』ということだと思うんですよ」

 

──ボールを受ける意識が大事だと?

「味方がボールを持ってるときに、ほかの選手がサポートしてあげるという当たり前のことをやり続けられるか。味方がボールを取られたら自分も損するわけだし、ポジションを崩そうが前向きじゃなかろうが、キープするという意味あいで助けてあげる。もちろん(ボールを持っている選手が)前向きだったら裏に走ればいいわけだし、おいしいところに立って待てばいいけど、そういうシーンじゃないときにいかに周りが助けてあげるか、サポートするかがポゼッションの時間にもかかわってくるから。ボール保持が長ければ(守備の時間が短くなって)失点の回数も少ないし、サポートの距離が近ければ取られたあとのリアクションプレスも行きやすくなる。個人としては、そういうところを高めていければと思います」

 

──そこで課題になるのは?

「一番は距離感かな。やっぱり遠いし、消えてるサポートが多すぎる。ポジションを守るというか、『ここで受けられたらチャンス』というポジションに立ってるのはいいけど、そこで受けられなかったらいないことと一緒だから。いかにボールを受けられるところに下りるとか、味方のために動いてスペースを空けてあげるとか、チーム戦術以前の個人でできる範囲でもう少し能力を上げたり意識を高めなきゃいけないと思います」

 

──一昨年から、ボール保持率が高い試合ほど負けていたり、低い試合ほど勝っていたりということもありますが?

「そういうのはありますね。だからコントロールかなと思うんですよ。ボール保持率が高いのは、相手ありきで、相手が来ないから持てているだけで、(相手がプレスに)来たら蹴ることになってしまう。自分たちのプレースタイルとしてある程度確立できていれば、プレッシャーに来る相手にもボールを持てるし、多少ミスが出ても距離感が良ければ失点にはつながらない。だからまず、一番にやることは距離感で、良い距離感でボールを受けに行っていれば、多少のミスがゲームの勝敗に直結しなくなってくるので」

 

──今は距離感が遠すぎる?

「ボールを持ちたいチームであれば、近いほうが良いと思います。全員がレアル(・マドリー)みたいな(個人能力の高い選手がそろっている)チームならいいけど、そういうチームでないのであれば。距離が近いとパスのズレがそもそも少なくなるから。10メートルのパスならミスするかもしれないけど、5メートルのパスならミスする可能性は低くなるわけだし、多少囲まれていても目の前にサポートに来てくれていたら1タッチで落とせばいいわけだし。それが3人に囲まれてターンしなきゃいけないというのは、できない選手の問題かもしれないけどチームとしてロストしたら意味がないので。そんなのサポートすればいいわけだから」

 

──そのサポートの意識が低い?

「それはずっと思ってるけど、個人戦術の意識の問題で、『お前はここのポジションにいろ』と言われていても、5メートル動くくらいは問題ないし、結局はボールを取られなければいい話だから。その辺をもっとチームとして、思いやりみたいなものを持てればいいなと思っています」

 

──そこはチームでどうしていこうとかではなく、個人の意識のところ?

「個人戦術の部分ですね。『ここにある程度いなさい』というのは、確かにボランチが前を向いて顔を上げたときに下りてきちゃったら意味がないけど、ウイングバックが困っているときにそこで失うくらいだったらポジションを崩してでもサポートに行ったほうがいい。それで自分たちのボールとして生き残るなら、前線に人が少なくなることに関しては問題ないと思う。ロストするよりは全然いいわけだから。とにかくサポートして、サポートに行ったヤツが行き損にならないように、それも助けてあげる。失ったヤツが悪いわけじゃなくて、助けてあげなかったヤツが悪いよねという流れになっていけばいいですけど。相手からしたらボールを持たれると良い気持ちはしないだろうし、走らされたら消耗するし。90分を何十試合のスパンで考えたら、そういうほうが勝てる可能性が少しでも上がると思います」

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