「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

角田涼太朗が担う大迫勇也封じの大役。 24歳のセンターバックが日本屈指のストライカーに徹底抗戦を挑む [J29節 神戸戦プレビュー] 無料記事

 

力が入って当然の大一番

 

言わずもがな、大一番である。

ケヴィン・マスカット監督は普段通り冷静に話したが、言葉の端々に熱が帯びる。

「マリノスでプレーしていれば次の試合だけでなく、自ずと毎試合プレッシャーを感じながらプレーすることになる。自分たちは何かに向けて戦っているし、そうやって戦っていれば必ずプレッシャーがかかるもの。そういうゲームは自分たちが望んでいるもので、クラブとしても選手としてもスタッフとしてもそう思っている」

 

 

勝ち点1差で首位を走るヴィッセル神戸と残り6試合で直接対決を迎える。勝てば順位が入れ替わり、マリノスが先頭に躍り出る一戦だ。力が入るのは当然だろう。

鹿島アントラーズに逆転勝利した勢いを生かしたい。「苦しい流れの中でこの前の試合で1勝できて、残り6試合を全勝するくらいの勢いで行く。このタイミングで対決を迎えられたのは意味があるし、ここを勝ってこそ上に行く権利を得られる」と話したのはセンターバックの角田涼太朗だ。

 

 

この試合では大迫勇也封じという大役を担うことになる。もちろん角田単体で守るわけではなく、エドゥアルドや一森純、あるいは松原健や永戸勝也、そしてダブルボランチとの協力と連係が欠かせず、さらに言えば前線4人がどれだけボールの出どころにプレスをかけられるか次第でもある。

 

 

ただ、最後は個で守らなければならない場面も必ず出てくる。24歳の角田が日本屈指のストライカーにどこまで徹底抗戦を挑めるか。対大迫のイメージを「しなやかさというのは間違いなく世界で見てもトップクラスを張れる選手。自分としてはチャレンジだし、ひとつでも多く勝つこと、経験を積んでチームを勝たせたい」と静かに語った。

背番号33が真価を問われるゲームになりそうだ。

 

 

 

 

「僕はビッグマッチが大好き」(ロペス)

 

本来ならばダブルボランチの人選が大きなポイントだったが、前々日練習時点で喜田拓也が別メニュー調整に終始した。先週のトレーニング中に軽いアクシデントがあったとのことで、鹿島戦でもメンバー入りして途中出場していたことから大きな問題はないのだろう。

 

 

とはいえ試合2日前で全体練習に合流できていないのだから経過良好とは言えない。神戸戦でも再び渡辺皓太と山根陸のセットが有力で、喜田のコンディション次第では吉尾海夏がメンバー入りするかもしれない。

 

 

神戸戦から中4日で、今度はACLのグループリーグ第2節を戦う。第1節を落としている以上、アウェイでも必勝が求められる一戦。絶対に落とせない。これからも続くシーズンをトータルで考えたマネジメントが求められる。

前線では大迫と得点王を争うアンデルソン・ロペスが鼻息を荒くしている。

 

 

「ビッグマッチになるのは間違いない。そういう試合でプレーするのが、僕は大好き。マリノスは大一番や大事な試合でいい結果を出しているイメージがある。素晴らしい試合にしたい」

ここまで7回のマルチゴールを記録しているが、ハットトリックには手が届いていない。ロペスが3発決めれば、まず間違いなくマリノスが勝つだろう。高いハードルを求めているのは承知でも、ここまで19ゴールを決めているブラジル人ストライカーならば無理難題ではない。

 

 

タフなゲームが想定されるだけに、終盤のギアチェンジが試合の鍵を握るかもしれない。経験豊富な水沼宏太や鹿島戦で決定機を決めきれなかった宮市亮の働きもポイントになる。総力戦で勝ち点3をもぎ取り、リーグ連覇へ突き進みたい

 

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