「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「与えられたポジションで全力を尽くすのは当然ですが、自分が将来的に生きていくポジションはボランチだと思っています。ボランチで出場して正真正銘のプロ初ゴールを決めたい」 [山根陸インタビュー(前編)]

【山根陸選手インタビュー(前編)】

実施日:8月31日(木)

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

 

アカデミー出身の気鋭がプロ2年目を戦っている。

先月17日には節目となる20歳の誕生日を迎え、顔つきはどことなく精悍さを増したように感じる。

ヨコハマ・エクスプレスのインタビューには昨年7月以来の登場だ。

前編では、理想と現実に少なからずギャップを感じながらも「一喜一憂しない」と語る真意を解き明かしていく。

 

 

 

ボランチで出場して正真正銘のプロ初ゴールを決めたい

 

――プロ2年目のシーズンを過ごしています。早くも終盤戦に差し掛かっていますが、ここまでの自己評価を聞かせてください。

「今年ここまでを振り返ると、F・マリノスでの活動はもちろんですが、5月にひとつの目標であったU-20ワールドカップという大きな大会がありました。グループリーグ敗退という結果は本当に悔しかったですし、代表チームとしても自分自身も、もっとできたのではないかという思いがあります。この悔しさを無駄にせず、糧にして次のステップに進みたい。

 

 

 F・マリノスではプロ1年目にたくさんの経験をさせてもらったことがとてもポジティブで、だからこそ2年目の今年は自信を持ってプレーできています。練習から良い感触はありますし、継続してやり続けることが大事だと思っています」

――「継続は力なり」ですね。

「ケヴィン(マスカット監督)やショーン(オントンヘッドコーチ)と話をするタイミングがあると「とにかく続けること」という言葉を常々かけられます。プレーに関する具体的な要求やアドバイスもありますが、まずは今のパフォーマンスを落とさないこと、波を小さくすることを求められています。

 

 

 プロ2年目になって、もっともっと上を目指したいという気持ちは強い。今だったら喜田くんとナベくん(渡辺皓太)からポジションを奪いたいというテーマは当然あります。ただ、それがすべてになるのではなく、成長するために何をすべきなのか。自分をもっと高めるために、今やるべきことにフォーカスするというメンタリティのほうが大きなウェイトを占めています」

 

――昨季は11試合出場(先発4試合)でプレータイムは463分でした。今季は25節終了時点ですが、12試合出場(先発4試合)でプレータイムは482分。数字上はすでに昨季を超えています。

「プロ1年目は3月に初めて試合に出させてもらって、夏頃にもたくさん試合に絡めました。でも9月以降の残り10試合では一度もベンチに入れなかった。今年に関しても先発出場した4試合はボランチではなくサイドバックでした。自分自身の成長に手ごたえを実感しているからこそ、数字の部分はもっと伸ばしていきたいのが正直な気持ちです」

 

 

 

――サイドバックでの出場経験は、これから長く続いていくプロキャリアの中で財産になっていくのでは?

「ボランチ以外のポジションをやって学べること、感じることはたくさんあります。序盤戦は怪我人が多くてサイドバックがいない中で、自分にできることを精いっぱいやりました。横浜FC戦では思いもよらぬ形でゴールネットを揺らすこともできて(笑)。

 与えられたポジションで全力を尽くすのは当然ですが、自分が将来的に生きていくポジションはボランチだと思っています。そこで勝負するためにサイドバックの経験を必ず生かさなければいけないし、ボランチで出場して正真正銘のプロ初ゴールを決めたいです」

 

 

――成長を感じている部分は?

 

 

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