「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

ストレスなく楽しそうにサッカーをする中村俊輔は、誰よりも輝いている [練習試合 湘南戦] (藤井雅彦) -1,691文字-

 

【練習試合リザルト】

日時:7月6日(日)11時~
相手:湘南ベルマーレ(J2)
形式:45分×2本
スコア:1-0(1-0、0-0)
得点者:26分下平

 

いつも思うことだが、練習試合に多くを求めてはいけないのだろう。特にマリノスのようなある一定の格を持つクラブは、大抵の場合は格下チームとの試合になる。当然、調整の意味合いが強くなり、そうなればモチベーションが高まるはずもない。あくまで視線はその先に向いており、心身ともにベストなパフォーマンスを出せるわけではない。

4-2-3-1_キャンプ1 さて、6日に行った湘南ベルマーレとの練習試合である。相手は前日にリーグ戦が組まれていたため練習生を複数含む控え組だったのに対し、マリノスはベストメンバーで臨んだ。中断前最後のリーグ戦で3-0と快勝した川崎フロンターレ戦とほぼ同じで、変更はW杯から帰国して間もない齋藤学に代わって兵藤慎剛が左MFに入ったことのみ。その齋藤も33分に兵藤と交代してピッチに入ると、試合終了まで元気にプレーしてサポーターを沸かせた。

試合はというと、冒頭で述べたようにモチベーションに難がある状態で、さらにメンバー編成も直近のリーグ戦と変わらない。システムも同じで、キャンプで新たな試みがあったわけでもない。これはもう、何も変化する要素がないのだ。樋口靖洋監督は「 中断期間中に大きく変わったということはない」と認めつつ、試合を見るポイントについて「強調するポイントを絞っている。選手の立ち位置やボールをつなぐときのオーガナイズの部分、あるいは点を取るためのラスト3分の1の決め事といったところ」と明かす。だが、これはもうピッチ内部の話でしかなく、フラットな目線でそれを感じるのは非常に難しいレベルだ。あるいは表現できていないのかもしれないが。

目に見える変化を挙げるとすれば、それは選手個々のコンディションしかない。たとえば中村俊輔。序盤戦の彼は明らかに動けていなかった。リーグMVPに輝 いた昨シーズンは、誰よりも汗をかき、泥臭いプレーを厭わなかったのだ。それが今季序盤はまったく精彩を欠いた。肝心要のキック精度まで落ちてしまって は、悲しくなるばかりであった。

 
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